■■■■

たこあぶり🐙👊

終わり。

もうやめよう。

そう思ってしまえばすぐにやめてしまえる。

こんなに続けたのに。あんなに楽しかったのに。

(だけど今は?)

なにもできずにただただボーッと時間が過ぎるのを待っているだけ。

きっと私には何もできやしないと言い続け、現実逃避をして、いつか認められる。きっと皆で私を褒め讃えてくれる。そんな空っぽの夢に酔いしれていた。

でも現実は誰にも認められることはなく否定。否定。否定。

家族にも、友人にも、顔も見た事のない誰かにも、私の書くものは名前も覚えられないほどつまらない、価値もないと。

何も知らないくせに私の全てを貶して、腐して、それでも改善策は教えてくれない。ただ自分以外の誰かを蔑み、見下し、笑い、優越感に浸りたいだけ。

こんなことを考えている時点で結局私も同類なのだろう。


だから、やめる。

やめてしまおう。

価値のない人間なんて必要がないから。

最期に考えることがこんなことで良かったのか。もう私には分からない。

かつては私の全てで、愛していたものを踏み台にして縄を手に取る。

もう少しで私の物語は終わりを告げる。

「かつて……かつてか……いや、きっと今も」

最後の最後でなにかに気づけた気がした。



──ガタンッ

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