第7話 収穫

「ふははははは!!素晴らしい!!!」


ゴブリン軍団、その初陣!

突発的なものだったそれは、結果的に大成功に終わった。


元々与えるつもりのなかった滅び。

にも関わらずここまで上機嫌になれるのは、まず、ゴブリンたちの成長にあった。


「精鋭ゴブリン全てがホブゴブリンに!それ以外も目まぐるしい成長じゃないか!」


ゴブリンからホブゴブリンへ進化したことで、せいぜい130cm程度だった身長は160cmほどになり、筋肉量も増した。

体脂肪を絞ったらボディビルダーになれるんじゃないかというサイズだ。

これが本当にゴブリン種の下から2番目か?


生産渦もアンロックされたし、いいことずくめだ。



そして特に成長したのはやはりこのゴブリン。


――――――――――――――――――――

テンゴブ(タレントゴブリン)

レベル:17

スキル:肉体性能強化Ⅲ 長剣術Ⅱ 強健Ⅱ

――――――――――――――――――――


今回唯一、レベル10を超えた時ホブにならなかったゴブリン。タレントゴブリンだ。

テンゴブというあだ名が影響でもしたのか、種族名に”才能”が芽吹いた。


レベルは進化でリセットなんてことはなく、そのまま上昇して17。


ホブゴブリンと違いゴリゴリではないが、フィジークに出るような締まった体躯をしている。

力比べをした感じ、筋肉の密度はホブよりタレントゴブリンの方がずっと高そうだ。


「特殊な進化先……なんだろうな。」


ホブと違いDPによる購入はできず、生産渦も手に入らなかった。

今後どう成長していくか楽しみだ。


そして、俺を喜ばせたのはゴブリンたちだけではない。彼らがダンジョンまで運び入れてくれた、村人の死体や所持品だ。


ダンジョンはありとあらゆるものを吸収しエネルギー(DP)に変える力を持つ。


魔力を纏っているものほど高くつくこの変換では、人間の死体は非常に魅力的だった。


200人の死体は1万DPほどになり、彼らの持つ金銭や生活用品は今後俺たちが有効活用できる。


捨てるところがない生き物だな。


そして、ホブゴブリン生産渦を1つ設置した。コストは5,000……しかも1日3体しか生まれない。

元々ゴブリンだけでも大量に生まれるので、数より質に拘った生産渦があってもいいだろうと考えてのことだ。


残った5,000DPは武器に変え、軍団に分配する。


さあ、俺たちの存在が世間にバレるまで時間の問題だ!

ガンガン探索して、全てを奪い取ってこい!

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人でなしダンジョンマスターの魔王道 宇佐部 @usb_01

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