梅雨
梅雨とは春から夏へと季節が変わる時期にある長雨の季節である。海からの水蒸気の流れ込みの集中帯として顕在化する梅雨前線が列島に停滞し、次から次へと雨雲を発達させ、大量の雨水を大地に供給する。
山や崖といった斜面では地面が緩み、崩れ、地形が大きく変わっていく。山を崩した雨水は土砂を巻き込みながら川へ流れ、土色の濁流として下流へ向かう。そうしたいくつもの支流が集まる大河川では、大抵は人工の川岸のレールに従って海に向かうが、時には耐え切れずに溢れ、その土の匂いと山の栄養を含んだ水が、人と家と田と畑(とそれと、工場と公園と、会社のビルと商店街と、学校とバス停と、生活と歴史とその他その街にある全て)が、飲み込まれていく。
河川敷にある
「 雨が止む頃、あなたたちは雄叫びを上げる」
雨はまだ終わらない。雨によって大地は変わってしまった。では、ウツミ先生の言葉通り、雨が止めば姉弟は変わるのだろうか。
(夏に続く)
緑の桜 古田地老 @momou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。緑の桜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます