桜花
三寒四温の寒がなかなか終わらなくて、桜は平年より少し遅れて咲いたが、その後の1週間で急に気温が上がり、辺り一面ピンク色が広がった。静かに花の写真を撮る人、陽気さに浮かれ騒ぐ人、様々な人たちが街に溢れかえった。
「お姉ちゃん、外の桜見た?夏、あんなに緑の葉っぱで覆われていた桜は、全く変わってピンク色になったね。綺麗だなあ。僕たちは何か変わっただろうか?」
「相変わらず目覚めが早いよね、あんたは。外の景色なんてまだ見てないし、なんか体中が硬くて動きたくないな……。」
「冬の間眠りすぎて体が凝ったんじゃない、お姉ちゃん」
「うるさい!そんなことより私は雨を待ってるの。『雨が止む頃、あなたたちは雄叫びを上げる』。ウツミ先生の言った、私を変えてくれるこの雨のためなら、どれだけでも待ち続けられる!外はうるさくて仕方がない。私はもっと奥に居るからあんたは勝手にしな!」
「待ってよ、お姉ちゃん……!」
(春が終わり、次の季節に続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます