第2話 怪魔の制約(後編)
「お前は怪魔やケガレと言った類に好かれやすい血だ」
女性、イヤ怪魔の口からヌラリと赤い舌が
「舌舐めずりをするな。それに私は怪魔とやらを見たことは一度だって無かったんだぞ、親もオバケが見えるとか言う話を聞かないし、血なんて間違いじゃ無いのか?」
怖くなって
「遺伝に親はあまり関係無い。こう言った
「祖父母からだってそんな話聞いてない…言っとくけどハゲて無いからな」
「ハハハ、誰が
にンまりと
「ヒィっ!食べないで!」
「お前、ワシの話をきちんと聞いてたか?言ったろうワシからは手出しができんと。それにワシはお前に借りを返す為に行動しなきゃいけないんだ。喰うなんてもっての
確かに…でも
「確証は?」
「無い…が何にせよワシはお前に
「ぐゥッ…」
ぐゥの
「納得し
「なら、その借りってのを返し終わったら
「そうだな、お前の味に興味がない訳じゃないが、そこまでを借りとしてすぐにでも退散しよう」
やっぱり食べたいんだ…怖…
「ともあれ、何か願いでも言ってみろ。早く願えば早く借りを返せる。いつまでもワシと一緒にいたくないんだろ?」
顔をまたもぐィっと近づけて怪魔が尋ねてくる。
「急に願えといわれても…」
顔を
あれがしたい、これが欲しい…日々の中の不満にそんな思いはたくさんあった
「何でもいんだぞ?」
「思い付かないんだ…」
「思い付かないとな、人間と言ったら大金持ちになりたいだ、女をたくさん侍らせたいだ、容姿を綺麗にしたいだのと
ひっどい言われようだが事実だろう。
「そんな思いがない訳じゃない、私だって人並みにモテたいし裕福な暮らしもしたい。ただ私に似合わないなって…」
「逆にどんなモノならお前に似合うと思うんだ?」
「それは…」
横目に焼け落ちた元我が家を
不満だらけの毎日だったがあれこそ私に似合った生活だったのではないか?
そんなわが家ももう焼失して…
「そ、そうだ家。家が欲しい!」
「…それは、願いには
「なんで?」
「なぜって、家は生活の最低ラインだろう!?それを願いとして叶えたところで、借りを返したことにはならんわ。ワシはもっと、こうザ・夢って感じの願いを期待してたんだ!」
「そんなァ、他に願いなんて…」
「その場しのぎだが取り敢えずは
「ワシの家って…
「浮世の家ではないさ、コチラ、常世の家に来ればいいと言うことだ」
「常世って、あの世の事じゃないか!それに第一怪魔とは言え女性の家に泊まるなんてダメに決まってるだろ!」
怪魔は予想外の返答だったのか一瞬キョトンとしたが、すぐに笑い出した。
「あはははははwww大丈夫さ正確に言えば浮世と常世の狭間だ。行ったところで少しばかりのルールさえ守れば簡単には魅入られたりせんわ。それにワシはおとこだ安心しろ」
今度はカジカが驚く番だった。
「えっ?イヤ、でも胸が…」
大きい…
「ワシは怪魔だぞ?体の作りが少々他と違ってな、ここは乳じゃない。」
そんなバカな。どこからどう見てもナイスサイズの胸じゃないか!?
「これは腕だよ、腕。
四つ腕アシスタントと売れない漫画家 真岸真夢(前髪パッツンさん) @maximumyuraku
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