駆け出し冒険者のゴブリン退治
白桜
駆け出し冒険者とゴブリン達
僕の名前は『鉄也』。今日初めて冒険者になったばかりの駆け出し者です。職業は剣士。
早速ですが……依頼を受け山道に向かって歩いている。
その山道にゴブリン達が現れ、人々を困らせているとの事。僕はそのゴブリン達の退治を依頼を受ける事にした。
初めての依頼で内心ドキドキだ。
そこには山道に到着すると3匹のゴブリンがプロレスごっこをしていた。僕はゴブリン達に気付かれないように茂みに隠れる。
討伐数は3匹。ちょうどいる。さっさと倒して仕事を終わらせよう……。
僕は腰に差した刀を抜き、ゴブリンの1匹に切り掛かったっ!!
鉄也
「ウラアアアアアアァァァァッ!!」
『ザジュッ』
ゴブリンA
「ぐわああああああぁぁぁぁっ!?!?」
ゴブリンB&ゴブリンC
「「ご、ゴブ太郎おおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」」
チッ!! 浅かったかっ!! 咄嗟に僕に気付いて後ろに飛んで回避しやがったっ!! 次で仕留めるっ!!
ゴブリンA
「お、俺は……もうダメだ……」
ゴブリンB
「そ、そんな事を言うんじゃあねぇっ!! ま、まだ助かるはずだっ!!」
ゴブリンC
「そうだっ!! 生きる事を諦めるんじゃあねぇよっ!!」
ゴブリンA
「た、頼む……。ご、ゴブ美に……あ、愛しているよって……つ、伝えて……くれ……。ごふっ!!」
ゴブリンB&ゴブリンC
「「ご、ゴブ太郎おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!!」」
鉄也
「……」
な、なんだ……このゴブリン達……。た、戦いにくい……。
ゴブリンB
「な、なんでっ!! なんでっ!! こんな事をしやがるっ!! 俺達が何をしたって言うんだっ!! 何もしてねぇ俺達をっ!! 魔物だからって理由で殺すのかよっ!!」
鉄也
「あ、あの……君達が山道で悪さをするから退治に来たんだけど……」
ゴブリンC
「俺達が山道で悪さなんてっ!! あ……。していたな……。山道を通りかかった人間達を膝カックンして驚かしたり……」
ゴブリンB
「膝カックンした奴の耳元で『お前の膝、カックンしてやったぜ』って囁いてトンズラしたり……」
鉄也
「うわっ!! 気持ち悪っ!! で? 他には何やったんですか?」
ゴブリンC
「野宿している奴の寝袋に先に入って脅かしてやったり……」
鉄也
「え? ま、まさかっ!! その後、やましい事をっ!!」
ゴブリンC
「そんな度胸っ!! 俺にないっ!!」
鉄也
「まぁ、いいや。で? 他にはどんな悪事をしたんですか?」
ゴブリンB
「夜中寝ている冒険者達の顔にオナラをしたり……」
ゴブリンC
「眠っている人間の真横でラッパを吹いたり……」
ゴブリンB
「女勇者の下着を盗んだり……」
ゴブリンC
「ゴブリン3人で女冒険者達を見つめてみたり……」
鉄也
「それはストーカーなのでは? で? 他には?」
ゴブリンA
「とりあえず止血でけでもしてくれない?」
鉄也
「ダメだね。悪事を全部露見させなさい」
ゴブリンA
「鬼っ!! 悪魔っ!! 人でなしっ!! 女顔っ!!」
鉄也
「誰が美少女の顔だっ!!」
ゴブリンA
「そんな事っ!! 言ってなっ!!」
鉄也
「ウラアアアアアアァァァァッ!!!!」
僕は切り付けて倒れたゴブリンの股間を踏み付けるっ!!
『グジュッ』
ゴブリンA
「アウゥゥゥッッッチィッッッ!?!? 俺の股間にダイレクトオオオォォォォォォォッッッ!?!?」
ゴブリンB&ゴブリンC
「「ご、ゴブ太郎おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!?!?」」
鉄也
「で? 他にはどんな悪事をしたの? この場で全部白状しなさい」
ゴブリンB
「あとは魔王城に忍び込んで女魔王様の入浴を覗きに行くくらいしかしてねぇよっ!!」
鉄也
「勇者の下着を盗んだり、魔王の入浴を覗きに行くとか地味にすごい事してやがる……。とりあえず、これ以上悪事をやられる前に斬るか」
ゴブリンA
「ま、ままま、待ってよんっ!! 俺達っ!! もう悪さとかしねぇからよっ!! だなら見逃してくれよっ!!」
ゴブリンB
「そ、そうだよっ!! た、頼むよおおぉぉぉ!! 見逃してくれよっ!!」
ゴブリンC
「もう心優しいっ!! 自然の子になるからっ!!」
うーーーーーーん。確かにここまで意思疎通ができる魔物を殺すのは気が引けるなぁ。でも、討伐依頼出てるしなぁ……。
鉄也
「とりあえず、迷惑かけた人達に謝りに行こうか……」
この後、僕はゴブリン達を連れて迷惑をかけた人達に謝罪させに行った。
ゴブリン退治失敗。
ただそれ以降、ゴブリン達は僕に付きまとい仲間になりたそうにずっと見つめてくるのだが……。
駆け出し冒険者のゴブリン退治 白桜 @tetuya3
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