転生失敗してTSエルフになりましたが過酷な異世界を『可愛い』とスキル『マリオネット』で生き抜きます

ちーずけーき

第1話 始まりはレイクエム




貴方達はTS転生というものを聞いたことはありますか?

これは転生に失敗してTS転生してしまったある男の話...ってな感じで今の俺を文にまとめるならこんな風だろう

そう、俺は上に書いてある通りTS転生してしまった

しかも、だ。世にも稀な希少種、ハイエルフに...

エルフは長寿だがハイエルフの場合不老だ

流石に強い者に殺されるパターンもあるので不死ではないが寿命で死ぬこともないし老いることもない

今の俺の容姿は薄ピンクの長い髪に空を映したような青い瞳の美少女

この世界にはスキルと言う能力が個人個人に付与される

俺のスキルは操り人形(マリオネット)

対象の相手を操れるスキルだ

エルフの森が俺の故郷だがハイエルフは十になると婚約しなければならない絶対的ルールがある

だが俺は運悪くハイエルフの長の子供だ

エルフは人族と魔族が争っている中、中立を保っている

長の子供が二人生まれると片方を人族に、片方を魔族に嫁入りさせる

で、俺の姉は既に人族へ嫁いでいてもういない

じゃあ俺は消去法で魔族と婚約しそのまま結婚しなければならない

操り人形(マリオネット)は同等かそれ以下の相手しか効かないので親父を操れない

だから俺はいつの日か親父を操れるように日々森で鍛錬していた

ハイエルフの固有スキルが存在する

それは死之歌デスソング

個体個体で効き目が違うが俺はこのスキルでエルフの森を生き抜いたと言える



「ルーナ、ここにいたのか」



親父が話しかけてくる

親父の名前はルテンネス・ノワーライル。

娘の俺はルーナ・ノワーライル

親父は正直言って殴りたくなるほどクソイケメンだ

だが怒らせるとめっちゃ怖い

だから下手に出ないようにしよう



「親父、聞いてくれ!人族が森に侵入したど!」



さっき操り人形(マリオネット)で操っていたエルフからの情報を親父に伝えると親父は深いため息をついた



「大丈夫だ、ルーナ。人族を捕獲しとけ」



「あいよ!でも小遣い増やせよ!」



「いいけどくれぐれも外でその口調で話すなよ。エルフの面子メンツを保て」



「はーい」




親父はフッと笑ってまた村を歩き始めた

小遣いの為に頑張るか

俺は森に侵入し操っているエルフが監視している人族の元へ向かうのだった



「あーあー」



うん、声の調子よし!

じゃあそろそろ歌いますか



〈死者の招きに応じたならば

 汝の生命は果たすだろう

 まだ夜は続く

 その生命が尽きるまで

 踊ろう

 汝の受肉が千切れるまで

 遊んでおくれ

 その小さな体で

 強者の糧になり

 楽しもうじゃないか

 まだ夜は続く

 無駄なことを考えず

 さぁ、我を見つけておくれ

 夜が明ける前に

 遊ぼうじゃないか

 汝の生命が尽きるまで〉



低くだが軽やかに響き、一音発するだけで周りの木が砕けていく

"エルフの覚醒"

死之歌デスソングを歌うとエルフは一時的本来の姿に戻ってしまう

今の俺は途轍もなく怖いだろう

銀の長い髪が靡き血のような赤い瞳を細め邪悪に笑う作り物のような美しいエルフ

いや、悪魔と言う表現が似合うだろう

気が木端微塵になってるお陰で人族を見つけやすい

さぁ、踊ろう

俺の小遣いの為に、遊んでおくれ

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