カクヨムでは多くの近代史を題材にしたものが登場しますが、どれも架空戦記ものばかり。しかしこちらでは満州国という世にも胡散臭い傀儡国家が登場します。本当に5族協和は嘘であり、実際は日本人優位な状況であり、それ以外の人は基本、差別されていた状況が描かれています。また満州国にはいろんな人種や民族がおり、中にはインドやドイツの出身がいました。物語は当時の満州という事もあり、関東軍やナチス、甘粕正彦や岸信介みたいな人が敵対者として登場するかもしれません。続きを楽しみにしております!
日本の忌まわしくも重要な記憶、大戦前夜のお話。西洋、東洋、現地の人々……人種も衣装も言語もバラバラな登場人物たちが群像劇を繰り広げる。日本統治下にあった満洲国の日常、突如として襲い来る緊迫感に引き込まれます。タイトルから連想される得体の知れなさと、満洲を統治する関東軍の思惑も気になる所です。先行きの見えない帝国主義の時代に、現代風ノベルのエッセンスを加えた素晴らしい作品。