名前のつかないふたり※複数

雛峯堂

第1話

かみついてすってなぞってゆめをみて、キスマークだけが現実の今日

もういいや、鬱血痕になっている昨日のそれも綺麗じゃないし


抱き寄せて好きって言えば笑うよなきみは残酷ねえキスしてよ

終焉をいつか迎える俺たちはキスより深い夜があるでしょ


日がのぼる柔らかな空曖昧なピンクと青がぼくらみたいだ

コーヒーにミルクを入れた時のよな混ざり切らない我々の恋


きみの目を泳ぐ魚になったなら溢れる涙で息をしましょう

その海が枯れ果てたならぼくたちの淡い日々すら見つかるでしょう


問二番恋とは何か記述せよ※ただし愛は使わないこと

答え:恋とは拍動が百三十より跳ね上がり夢見る事象


スカーフを取ったら怒る?真ッ白な鎖骨が好きよ、あなたが好きよ

セーラー服脱がさないでよ青春は衣の上から授かるものよ


柔らかな頬は昨晩頬張った白桃みたいに甘く香って

頚椎をなぞってみたい舌先でハーゲンダッツをとろかすように


既読だけずっとついてる午前二時まだまだ夜はこれからみたい

心臓が右往左往を繰り返し震える指が押せない送信


一寸先闇だと貴方言うのならエスコートして、プリンス・チャーミング

君の目がずっと真夜中と知ってる王子の声の悪い狼


甘やかなあなたを知った、貪った夜の数など覚えていない

きみという果実を知らず生きてきた、歯を立てさせていいでしょう、エヴァ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

名前のつかないふたり※複数 雛峯堂 @2h2echg

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る