シロツメクサ

十月

シロツメクサ

春寒や小花飾りの角砂糖

朧月二足で立ちし犬と猫

蒲公英の遺伝子検査始めけり

春日傘から神隠しを見てゐる

膿盆のシロツメクサの花冠かな

銀の靴履いて卯の花腐し行く

紫陽花のMPを吸ふ改札に

枇杷の実や雨の染みたる通知表

懸命に生きた献体瓶ビール

白服や脚の四本重なりぬ

さういへば血を見ておらず青胡桃

餡蜜を盛りつつ君の猫背かな

SFの蚯蚓がくゞるアスファルト

薄切り舌厚切りの舌楸邨忌

昼花火霊長類は樹を下りて

飛行機は海を這ひをり秋の暮

きりぎりす二十年後に向け私信

ギー光るナンの隆起や天の川

剥製のヒグマの微笑火恋し

秋麗犬と入れる樹木葬

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シロツメクサ 十月 @rain_in_october

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