転生!うちのターン!前世の性別と尊厳を触媒にチートを召喚!属性過多トラップ発動!合成進化で作中登場人物の性癖を破壊する!(マッマが)

転生!うちのターン!前世の性別と尊厳を触媒にチートを召喚!属性過多トラップ発動!合成進化で作中登場人物の性癖を破壊する!(マッマが)




 十歳の頃、生みの母にカミングアウトされた。


「実はマッマな、若い頃にダンジョンでTS性転換罠喰らった元男やねん」


 花街の娼婦達から歩くセックスシンボルと畏怖され、幼年学校の授業参観や体育祭では数多の男子生徒や教諭達の性癖を歪め脳を破壊した伝説のシングルマザーは、あっけらかんとした顔で爆弾を投下した。

 うせやろ。

 ご近所の青少年、軒並みマッマが原因で夜中に泣きながらパンツ洗ってる同盟員ぞ? 町内の独身者、揃って義父ムーヴがくっそウザくて我が家は女性陣から嫉妬どころか同情集めてるんやけど?

 それが、元男?

 性転換やのうて、サキュバス転生したとか言われた方がまだ説得力あるでママン。

 ……

 ……

 転、生。

 転生?

 ……

 ……

 あ。

 思い出した。

 前の、人生。

 ……

 ……

 うちも前世、男やったわ。ははは。似た者親子やな、って笑っとる場合か阿呆!


「それでな。一緒にダンジョン潜って功績挙げて爵位と土地をもらって貴族のお嬢さんと結婚した元仲間の男から連絡きたんや」

「色々とツッコミどころがあるけど、そいつが製造元なん?」

「まあ、最有力候補」

「他にどんな対抗馬おるんや?」

「スライムとオークとインキュバスとドラゴン」

 ……

 ……

 ふう。ママン、当時の写真とかある?

 ない?

 しかも全部討伐済みかー。

 それで、推定製造元はどんな目的で元男のシングルマザーに声かけたんや。


「えっとな。子供生まれてたのを知ってたにも関わらず認知もしないで放置してたの嫁さんにバレて、袋叩きにあった上に離婚の危機やから説明のために来てほしいって」


 いやそれ罠ちゃうの?

 爵位にもよるけど、貴族の私生児とか御家騒動の火種になるから真っ先に暗殺対象とちゃうの? 当事者はともかく取り巻きとか嫁さん実家が要らんコトを考えて実行する前に冒険者登録して諸々の相続権放棄を表明せなアカンな。

 うむ。

 うちとママン、ダブルで地雷案件や。

 よし、逃げよか。

 善は急げや、荷物をまとめてFLY-AWAY!やで?




 えー。

 逃げられませんでした。

 手紙届けた時点で配下の者が周辺を監視もとい護衛していたそうで。

 妾どころか愛人ですらない、元冒険者仲間しかも元男相手に生まれた子とか醜聞好きな連中にとっては格好の餌食か。素直に修道院に行ってりゃ良かったのかね。


「お待ちください、クリスお嬢様。ノエル第二夫人共々、我らがバイス伯爵家にお迎えするよう伯爵ご夫妻より命を受けております」


 拉致か。

 監禁か。

 まあ、ええわ。家の醜聞になり得るのは、うちの存在や。十年そこそこの人生やけど、前世思い出したしな。ひでえ前世やったけど、今世は母親にも御近所にもそこそこ恵まれたし。恩返しできなかったのだけが悔やむところやが、うちの命ひとつでマッマの安全買えるなら安いモンやろ。

 しれっとマッマが第二夫人扱いされているが、そこは突っ込むべきか。

 いや、既に突っ込まれてたわマッマ。

 そしてうちが誕生した。

 やかましいわ!

 状況証拠だけで親子認定されてたまるかい。

 うちのマッマやぞ。

 食べ物系の贈り物にはもれなく媚薬か【ピー】液が混入してるからやめときなさいって、花街のオネエさん達がガチ警告してくるくらいのマッマやぞ?

 普段はしっかりしてるのに時々無防備に乳揺れして脇を見せると街中の青少年がトイレに駆け込み、聖堂騎士団から「世界で最も清純で可憐なサキュバスと言われても信じられる」認定喰らって、駐屯するメンバーが軒並み女騎士に変更になった伝説を打ち立てたマッマやぞ?

 てな感じの事を自称護衛の監視兼捕縛人に告げてから、隠し持っていた懐剣を取り出し躊躇なく喉を切り裂き己の胸に突き立てた。さすが異世界、尋常じゃない切れ味だわー、などと至極どうでもいい感想と共にうちの意識は遠のいた。懐剣になんらかの付与でもあったのか痛みを感じさせないあたり、元々そういう用途なんだろうなと納得しながら。


 ほなな。




▽▽▽




 なんかすっごい怒られた。

 魔法のある世界を正直舐めていたと言わざるを得ない。

 秘薬に神官総動員して命をつなぎとめたらしい。

 あと通りすがりの転生サポート課に死ぬほど辛いカレーを喰わされた。御馳走さまです。


『性自認が男のままなら肉体をそっちに合わせて再生できるけど?(ギュッ)』


 ノーセンキュー。

 お家騒動が勃発してしまいます。

 伯爵家の長男(六歳)に修羅の人生を送らせる意義は無いので。あと前世記憶はあっても人格歪むほどではないので、フツーに男が好きです。むしろマッマが元男だから次世代の我が身に生殖能力含めて肉体にエラーがでてないか心配かな。かな。かな。

 治療を請け負ってくれた小さな施設は伯爵家の力も及ばないようで、騎士っぽい人や推定製造元っぽい人が毎日のように押し入ろうとしては返り討ちに遭っている。マッマはフリーパスだが泣きながらおっぱいハグされると申し訳なく思う反面、この人のフェロモンとか異様な色気とかを受け継がなくて心底助かったと安堵することに自己嫌悪してしまう。

 生き残ってしまったけど、それはそれで見事に御家騒動の火種である。

 伯爵夫人もお見舞いに来た。

 なんかすっげー申し訳なさそうな顔でうちに謝って、マッマに対して「え、元男……駄目、現実を信じられにゃい」とか闇の扉を開きそうだったので、慌てて伯爵夫人の顔をマッマの乳の谷間に沈めておいた。

 ほな、息を吸ってー。はいて―。

 吸って―。

 ひっひっふー。

 くんかくんかくんか。

 すーはーすーはー。


「ノエルおねえしゃまあ……」

「ぴぃ!」


 よっしゃ、家内安全洗脳調教

 伯爵夫人がなんだか学生時代に戻ったかのような蕩けた瞳でマッマの乳を枕にし始めたけど、女同士だからヨシ! 

 なんならマッマは元男や。問題ない。

 え、伯爵?

 百合の間に挟まるの? 正気?




 伯爵夫人に懇願され、マッマは伯爵家にお世話になることになった。

 ただし第二夫人でも妾でも愛人でもなく、嫡男である子息(六歳)の家庭教師としてである。

 これでもマッマはダンジョンで奇けっ態たいな罠に嵌るまでは実力のある冒険者として評価されていたらしい。シングルマザーあるあるな感じの赤貧生活とか記憶にないのは、冒険者時代に色々と稼ぎを蓄えていたのと、マッマの技術を高く評価していた当時の人脈が色々と仕事を寄越してくれたからだ。

 ヘルプで冒険者組合の受付嬢やったときは流血沙汰で支部閉鎖なったとか後で教えてもらったけど。

 むしろ流血沙汰で済んでラッキーとしかいえへん。

 マッマやしなあ。


「うう、クリスちゃんがぐれた」


 失礼な。

 前世記憶は目覚めたけど基本的に性格このままやでマッマ。


「じゃあ反抗期?」


 年齢的には、せやなー。

 泣いたらあかんでマッマ。

 元男とか何処にも説得力ないで。微塵も。女子力とバブみしか感じられへん。伯爵子息(六歳)の性癖が大変なことになる。推定腹違いの弟君に修羅の道を歩ませるわけにはいかんのや。


「わかった。坊ちゃまを立派なシスコンに更生させておくからね」


 やめーや。





▽▽▽





 色々あって首都の王立学園に編入する羽目になった。

 十歳で。

 生まれ育った町でも庶民向けの幼年学校に通っていたが、こちらは王侯貴族や富裕層も多数通学しているそうで。料理人や庭師、洗濯や裁縫など将来的に上流階級を相手にする可能性がある職種の希望者も王立学園では広く受け入れていると聞かされた。

 というか、絶賛人手不足で熱烈歓迎らしい。

 へー。

 働きながら学校に通えるんか。

 伯爵様はマッマにええ顔みせたくて学費出すとか言うてたけどな。うっかり親子認定されると醜聞とか後継者問題に直結するからと学園関係者を説得して、勤労学生をやらせてもらうことにした。

 学舎の掃除に制服の洗濯、学食での下ごしらえ。

 やれることはぎょーさんあるし、やらなあかん仕事も山ほどある。在校生に王族のいない谷間世代やから、という冗談みたいな状況らしいで。

 へー。

 ……

 ……

 え、先月までは子爵家がトップだったん?

 大変やなあ。

 さーて、今日から庭師の仕事も始めなあかん。

 え、うち?

 叩いても埃しか出てこない庶民やで。

 今のままやと成績優秀な庶民が生徒会を独占する事態になる?

 ええんとちゃうの。

 王立学園では身分の別なく学ぶとかそういう建前やろ。おかげでうちも保護者に気兼ねすることなく学費をアルバイトで稼げてるわけやし。

 駄目?

 せやかてなあ、うちも推定伯爵令嬢(庶子)で、おまけに庶民暮らしが染み付いた下町っ娘なんや。王都で三代続いた大店の坊ちゃんに生徒会任せた方が王国の太っ腹っぷりを披露できると思うできっと多分メイビー。

 え、無理?

 勘違いしたカクメー家気取りが学内に不穏分子を呼び寄せて生徒会室を反社会分子の巣窟に? 攻撃対象となる高位貴族がいないから今度は資産家が標的に?

 めんどーやなあ。

 あー。

 うん。

 そういや女子寮にカクメーのジャンヌダルクとかゆーてる、どうみても現役学生じゃない女子が寮の一画を占拠して大麻とマタタビを大量に持ち込んではギターかき鳴らしてうるさいって話。知っとる?

 あ、初耳?

 大変やなあ、人手不足は。

 うちも昨日女子寮の飯を作りに行って知ったクチやけどな。

 え、一大事?

 せやな。普通に国家転覆のテロ活動認定されても否定できへんし、少なくとも女子寮は閉鎖。庶民相手の優遇措置も廃止。下手すりゃ貴族学校のみ残して庶民が高等教育を受ける機会は金輪際なくなる可能性も十分考えられるわ。

 自業自得やろ、全員の。

 どうすればええか?

 既に大ごとや。それでも女子寮でマタタビきめてる連中を一網打尽にして、生徒会も一斉検挙できればまあ犠牲者は最小限で済む。かな? 最悪の場合、貴族籍含めて在校生を全員殺処分やし。

 手伝え?

 庶民派の十歳児に何を期待しとるんや、この兄さんは。

 編入生の生活調査とちゃうんか。まあ、ええ。国民の義務の一環や。カレー屋仕込みの転生テクニックをお見舞いしたるわ。





 ででっででっ、で・で・で、で・で・で・でーん!

 ちょおお霊子ぃスピナああああああ!

 ちょぉおおお霊子ぃうるとらタイフウウウウウウウウン!

 ちょぉおおおおぉおお霊子ぃ! 宇宙マッハ拳!


 あくはほろびた。


「女子寮が木っ端微塵なのだが」


 学園関係者というよりは国の機関のヒトらしいおにいさん(精一杯のごますり)が唖然としとる。無理もない。最近増築しまくってたらしいから。建築資材は貴族様ルームから採掘(隠語)したそうやで。せやから違法建築を撤去(穏当表現)した際にピタゴラスな連鎖崩壊を起こしたのは、そう、ジャンヌダルク()さんが悪いんや!


「今更余罪が一つ増えたところで極刑は不可避だからなあいつ」


 うん。

 木っ端微塵にした違法増築の中から、どうみても仲間割れ私刑執行したとしか思えない打撲痕だらけの遺体が見つかったしね。しかも男女複数。学園の自治を訴えて官憲の介入を拒みまくった前例を悪用された形やね。

 そのうちどっかの貴族の別荘を占拠して国軍とやりあったり、隣大陸との貿易船を乗っ取って政治犯の釈放を要求しそうな……お兄さんに騎士団のひと、なんやその表情。

 あー。

 貴族に人気の避暑地が先日から連絡がつかない。

 大陸との定期便が寄港しているはずなのに荷揚げが滞っている。

 市民議会法の制定を強引に推していた商業組合幹部が一昨日から行方不明。

 ……

 ……

 がんばっ。

 学園の外までは責任持てへんがな。

 ちょ、イケメンが土下座とか卑怯やがな。

 いや事情は分かるで。これで国軍を下手に動かしたら大陸を管理してる超越種どもがオシオキで国家滅ぼすやろなーってことぐらいは。うん。

 今なら民事で誤魔化せる?

 むしろ人類の自浄能力を示さないと種族単位で粛清対象、かー。

 ……

 ……

 がんばっ。


「すまんが国民の義務を果たしてもらいたい、クリス・L・G・B・T・Q・バイス伯爵令嬢」


 なげーよ、そのミドルネーム群!

 いや、うち伯爵家に後援されてるだけやからね。伯爵令嬢チガウ。父親は本命オーク対抗スライム大穴でドラゴンらしいから。

 そのうちモンスター娘みたいに属性過多になるでよろしく。


「……頼む」


 かーっ!

 このナチュラルに濡れそうなイケメン共。

 卑しかっ、卑しか男ばい!

 背後に控えてる雌の飛竜がその場で産卵フェスティバルを開催しおったで。

 従う以外に庶民に選択肢あらへんけどな!


「ありがとう伯爵令嬢!」


 庶民で勤労学生のクリスちゃんや! 覚えときい!




 鎮圧した。

 いやあ大変やった。主にマッマが。

 籠城してる反政府活動家を炙りだすために、ミニスカメイド姿で踊ったんや。マッマが。

 ぽよんぽよんの、ぱいんぱいんや。

 重力がな、重力が仕事を放棄してな。

 老化現象も職務違反しとるが。

 いやあ。

 恥ずかしながらの歌と踊り。バックダンサーを務めたサキュバスの皆さんが終わった後にマッマに弟子入り志願しとったし。土下座で。

 サキュバスですらない反政府活動家はもちろん騎士団や軍の兵士も揃って体育座りのスタンディングオベーションや。結局縛り上げたの、うちや。あと一仕事終えて帰ってきたら騎士団の戦馬と軍の狩猟犬がうちの義父候補になりかけてたので教育的指導。マッマのパンツは膝のあたりまでおろされていたけど未遂だからセーフ! 上半身はうち見てないからセーフ!


「クリスちゃん……マッマ、汚れちゃった(馬と犬の唾液で)」


 はい、セーフ!

 あとピンク色の突起くらい隠そうな、な?

 あ、卑しか男共が鼻血を噴いて倒れた。


「で、殿下ぁああああっ!?」「救護班、救護班はまだかーっ!」


 うちはなにもきこえなかった。

 聞こえなかったんや。

 卑しかロイヤル色男共とこれ以上関わってられるか。うちは汚れてしまった(物理)マッマと風呂入ってくるわ。ガハハハ。

 はーなーせー。

 はーなーせー。

 鼻血なら患部に氷嚢当てて安静させて初級の回復魔法でええやないかー。

 ほらほら婚活に勤しむ貴族令嬢とか女騎士が献身的な看護をしてロイヤルなロマンス発生する絶好の機会やないかー。

 はーなーせー。

 はーなーせー。

 ……

 ……

 わかった。

 回復魔法ならうちが掛けたるわ。せやから、そこのエリクサーっぽい高級そうな薬瓶開封すんな。経産婦のポッチ目撃して鼻血噴いて気絶とかそれだけでも童貞疑惑が国内を駆け巡るの不可避なのに、そこでエリクサー(推定)持ち出すとか末代レベルで恥が語り継がれるやろ。


「――すまない。クリス・L・G・B・T・Q・バイス伯爵令嬢」


 おう。

 暴走する忠誠心に天誅されるのもイヤやしな。

 鼻に脱脂綿つめて寝てるのもロイヤル的に外聞悪いのはなんとなく分かるし。

 ほな身体状態の解析魔法。ぺかぺかぺー。

 鼻血の出血部は修復しておくでー。

 お。

 なんや毒に呪いに遺伝子疾患に寄生生物に冒されてるなあ。日常的にエリクサー飲まされてたんと違うん? あー、横流しとか水増しとかすり替えとかそういう奴? うちの保護者やってる伯爵家ですら一瞬だけど後継者問題勃発しかけたって奥様仰ってたしなあ。

 ま、ええわ。

 毒は消す。

 遺伝子情報は正常なものに書き換える。

 寄生生物は除去する。

 呪いは術師に返却する。

 全部を一発でやってくれるもの、それがカレー。マサラの神秘。

 ニンゲンの作る怨念如きが悪魔の糞アサフェティダすら支配下に置くインドの叡智に勝てるとは思わんことや。

 とはいえ転生サポート課で講習受けて作ったカレーパンをイケメンの口に突っ込むだけの簡単なお仕事です。周りの護衛、少しは警戒しろよと思わなくもないけど。

 あのな。

 殿下が上半身裸になって口からレーザー光線吐き出すのを見て拝むのはどうかと思うで?





 色々あった。

 たとえば殿下に毒を盛って呪いをかけて寄生生物を仕掛けてた連中が捕まった。

 いや、。かな。

 うちを危険な仕事に巻き込んだからと憤慨したマッマが乗り込んで「めっ★」したらしい。

 おお……神よ……なんてムゴイ真似をするんや。

 騎士団が現場で見たのは、オギャって幼児退行しつつも性癖を破壊された老若男女達。悪事の証拠がそのまま残っていたし、当人達も「ママァ、ママァ! 許してママァ、ボクが悪かったよ!」と泣き叫びながら自供したとかで捜査は非常にスムーズに進んだのだとか。

 よかったね☆

 そんなわけがあるか。

 悪人成敗したマッマだが、王都の馬という馬と犬という犬が付き従ったらしい。身分バレしないように王立学園の女子制服姿で。

 ひぃ。

 神よ、あんたはこの世界に何か恨みでもあるんか?


「クリス・L・G・B・T・Q・バイス伯爵令嬢も数年であのような……野放しにしては大変危険だ……いっそ王家で……いやしかし年齢が……」


 ちょっと殿下―!

 うち庶民、庶民やから。

 畜生こんな国に居られるか、うちは、うちは……あかん、家出したらマッマがどんな暴走するか想像もできへん。


 あと殿下、庶民を膝の上に乗せないように。周りも微笑ましい目を向けない!










【登場人物紹介】


・主人公

クリス・L・G・B・T・Q・バイス伯爵令嬢。十歳。転生者。前世は男。エセ方言(下町語)の使い手。第二次性徴前。前世を思い出した後に転生サポート係から色々学ぶ。超霊子魔法とカレーが得意。母親の秘密に驚きつつも、その愛を疑いはしない。ただし目を離すと色々大変なことになるのは理解した。

推定父親は元貴族で元冒険者で手柄を立てて現在伯爵。親子関係はDNA鑑定するまでは認めないと主張。腹違いの弟の人生を台無しにしないためという心遣いだが、おかげで弟の性癖が台無しにされた。

殿下(穏当表現)にロックオンされていることに気付かないふりをしている。



・マッマ

ノエル。推定三十歳。元男。無限の女子力と母性を内に秘め、娘を立派に育てた。元凄腕冒険者なのは事実。多分ニンジャ系。護衛兼仲間の青年を守るためにTS罠にかかり、色々とあった。仲間の青年冒険者が伯爵になったけど結婚生活が破綻しそうだから説明してと泣きつかれて母娘で訪問し伯爵夫人をオギャらせた。

その後も順調に周囲の性癖を破壊し脳を焼きつつ娘の成長を見守っている。現役時代のノリで正義のニンジャっぽく悪徳貴族の本拠地に乗り込んだら無差別バブみ光線を解き放ってしまった。反省はしているが自覚には程遠い。いつの間にか伯爵家の第二婦人扱いされている。やんごとなき身分の貴公子に義母扱いされ始めて家族会議を開催すべきかと悩み始めている。



・イケメン共

殿下と愉快な取り巻き共。乙女ゲームなら溺愛とか婚約破棄とか色々あったかもしれないがマッマによって脳を焼かれ性癖を破壊された。王位継承絡みの暗殺対象になっていたがステータスの高さで耐えていた。主人公のカレーで回復する。今回の一件で継承権一位に躍り出るはめになった。

周りと国王からあと五年待てと言われている。それが誤解か本気なのかは主人公には分からない。



・転生サポート課

マサラの使い手。簡単な護身術と宴会芸程度のつもりで超霊子魔法を授けたが、あまりの威力に首を傾げている。



・反政府活動家

転生者である【検閲済み】を筆頭とした【検閲済み】主義の団体によって構成された【検閲済み】を目的とするテロリスト集団。あと一週間放置されてたらマサラによって輪廻からも外されて消滅していた。



・伯爵家長男

主人公の腹違いの弟。六歳。ある日突然やってきた腹違いの姉(十歳)の存在に驚きつつ、義母疑いの強い家庭教師(三十歳、元男)と庶民と主張する姉によって日々脳を焼かれ性癖を破壊される。殿下の行動次第では伯爵家を乗っ取られるのではと周囲が焦っているが、その点に関しては姉を信頼している。既に教育の行き届いたシスコンである。



・伯爵

「男の時ですら性別詐欺と言われていた親友が……ダンジョンの罠で絶世の美女に……それがスライムやオークやドラゴンたちの慰みモノに……許せねえ、許せねえだろうがよお! 俺が書き換えてやる! 俺がオマエをママにしてやるんだ!」って頑張ったら家庭崩壊の危機の遠因となった。主人公に父親認定されず落ち込んでいる。しかし家督相続が面倒になるのを回避するための態度ということも理解している。



・伯爵夫人

おっぱいにはかてなかった。

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