【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句の部】

とりまりこ

接ぎ木

転生の夜も蛍はよく飛んで

初秋刀魚骨砕きつつオーク食ふ


ダンジョンの中の台風極まれり

青柿のやがて王女となりにけり


転生は接ぎ木にも似て地平線

芭蕉忌の妖精のすぐ旅に出る


クランでの仏法僧は合言葉

盗賊の巣には夜鷹も密集す


アーマーの接合部より冬に入る

一対の竜が生まれて春が来る


妖精の羽にも夏が滲みけり

生ける死者蜥蜴のやふに日を浴びる


夏の雲鎧の下はよく拭へ

黒南風の悠々流れ込むベッド


初明まずはドラゴンより照らす

初景色ドラゴン種のみ目を細め


ドワーフの素麺啜る音静か

領主たる所以の年玉より来たる


日脚伸ぶ吟遊詩人健脚で

お貴族も人垣の一部夏祭り

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【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト俳句の部】 とりまりこ @torimariko

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