いけいけ勇者様15
最上司叉
第1話
俺たちはいつもの様に朝食を食べていた。
するとそこへ1人の魔族の女が訪ねてきた。
「どこにいらっしゃいますの?婚約者様ー」
どこからか声が聞こえてきた。
「ブーッ」
婚約者は紅茶を噴き出した。
「汚い!!」
魔法使いが怒っている。
そんな魔法使いを無視して婚約者は自分の部屋に慌てた様子で逃げていった。
魔王は嫌な顔をしてため息をついている。
「?」
俺達は訳が分からない。
とそこへ爺やもやってきた。
「やや!!貴方様は!!」
「あら?その汚らしい格好あの女の爺やじゃない」
「すみませぬ」
会話が家の外から聞こえてくる。
すると魔王が立ち上がり家の外に出ていく。
俺たちもついて行く。
「爺やを虐めないで!!」
魔王は珍しく声を荒らげている。
「この私に指図するのは誰ですの!!」
そう言いながら魔王のほうを見た。
「あら?誰かと思えばその汚らしい格好魔王じゃないですか」
「私の婚約者様を奪った」
「?」
俺たちは訳が分からない。
魔王はため息をついている。
「婚約者様はどこなのです!!さっさと案内なさい!!」
なんだこの女はと皆思った。
「こっちついてきて」
魔王は魔族の女に言った。
「初めからそうすれば良いのに」
魔族の女はため息をつき魔王について行く。
俺達もついて行く。
「ここに居る」
魔王はそう言うと自分の部屋に戻ろうとした。
「待ちなさい、貴女には聞きたいことがありますの」
魔王はため息をついてその場にとどまった。
「その前に婚約者様ー開けますわよ」
扉が開いて一同が見たものは部屋の隅で震える婚約者だった。
「あら?そんな所で何してますの?貴方の麗しき恋人が会いにきましたのよ」
婚約者は見ようともしない。
「どうしましたの?さては照れていますのね、私が今行きますわ」
「来ないでくれー!!」
婚約者は必死に逃げ回る。
それも虚しく捕まってしまった。
「もう、照れ屋さん」
魔族の女が婚約者の頬をつつく。
「さぁ一緒に帰りましょう」
「嫌だ!!帰らない!!」
「どうしましたの?さてはあの女狐ですわね!!」
魔族の女は魔王のほうに向かおうとしたが婚約者がとめる。
「君とは結婚できないと何回も言ってるだろ!」
「まぁそんなに照れなくても」
「照れてない!魔王様と結婚するんだと何回言えば分かるんだ!!」
「またあの女狐ですの?」
「私の方が結婚相手に相応しいと何回もそう申し上げてるではないですか!」
「そう、あの女狐がたぶらかしたのでございますわね」
魔族の女は怒りの表情で魔王のほうに向かう。
「あれほど私が婚約破棄しなさいと言って差し上げたのに!何でこんなことになってますの?!」
魔王に詰め寄る。
魔王は魔族の女の手を振り払い言った。
「うるさい帰って」
「何ですって!!この私に!!」
魔族の女は魔王に飛びかかろうとしたその時魔王は呪文を唱えた。
「な…にし…ま…した…の…」
魔族の女の力が抜けていく。
魔族の女は気を失ってしまった。
「空いてる部屋に運んで」
俺達は呆然としていると爺やが魔族の女を運んでいく。
「さぁ魔物退治の仕事」
俺は魔王に引っ張られていく。
そして皆もそれぞれの仕事に向かったようだ
いけいけ勇者様15 最上司叉 @moemee
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