十冠会議
新入生のための新春序列決定祭……その3日前。
第七学院の最上階に位置する場所では毎月序列1位〜10位までが集まり、開催する【十冠会議】が行われていた。
今回の会議に出席したのは、
序列第3位 高等部3年
序列第5位 高等部3年 グラン・レヴァーテイン
序列第8位 高等部2年
序列第9位 高等部2年
序列第10位 中等部2年
「…あ? これで全員? 欠席の奴らは何してやがんだ?」
「第7位は、3日後の祭りのための司会準備。第6位は学長先生に呼び出しをくらってます~。あと、第4位は祭りのことを宣伝するために他校へ遠征中で~。第1位と第2位はおそらくサボリです~」
「毎回思っていたが、北泉。十冠の近況情報は基本的に秘匿されているはずなんだが、お前はどっからその情報を持ってくるんだ?」
「ふふ~。さあ、どこでしょうね~?でも、このくらいの情報ならグランさんも集められるでしょう?」
「…いや、俺には無理だと思うぞ?」
「ふーん。そうですかぁ?」
「…2人とも、論点がずれていますよ?私たちが集まったのは、今回の会議の議題である〔新春序列決定祭を行う際での懸念事項の共有〕をするためですよ?」
「そうっすよ。雪奈ちゃんの言う通りっす!今後のために話しあいましょ?」
「金嶺さん。私を名前で呼ばないでください。凍らせて砕きますよ?」
「ヒィッ。す、すいませんした」
「…雪奈先輩。寒いにゃ。あと、また話がずれてるにゃ」
「あ!ご、ごめんなさい。鈴ちゃん」
「大丈夫ですにゃ。で、先輩方はなにか懸念点はありますかにゃ?」
「あ~。まず、新入生達同士の争いがあるかどうかですねぇ~」
「あぁ。今年の新入生は粒ぞろいらしいし、その対策もいるだろうなぁ」
「あとは不正行為、ドーピング等の対策っすね」
「そうですにゃ。…あの手の薬は副作用がひどいことが多いですからにゃ」
「あぁ。使用後、廃人になるのはまだ優しい。しまいにゃ飲んだ瞬間に体が爆発して一瞬で肉塊になるからな」
「…はぁ。色々と頭が痛いですね。こんな時期にあの1位と2位はどこをほっつき歩いているんですか?」
「…おそらく、
「なるほど。そりゃあ十中八九、あいつだな。まあ、あいつは他のヤツに迷惑かけないし、全校生徒に中等部の屋上に近づかないように通達しときゃいいだろ。…で?一応、聞くが第1位は?金嶺知ってるか?」
「あっははー。先輩達、聞かなくてもわかってるでしょー?
「…金嶺さん。零さんの所に行って彼女を引きはがしてきてくれませんか?零さんと親交が深いあなたなら…」
「う~ん。わが愛しの雪菜ちゃんの頼みは断りたくないんですけど。さすがに無理っすね。それやったら、零じゃなく白兎に殺されちゃうんで」
「…いえ、私も無理をいってしまいました。すみません。あと、雪奈って呼ばないでください。切り刻みますよ?」
「アッ、ハイ」
「まぁ、引きはがすって言っても、きっかけがないからどうしようもないんですけどねぇ~」
「ぐっ、そうですね…。あの人は仕事が速いので十冠に振り分けられている仕事を手伝ってほしいんですけど…。前回会ったときにそのことを言ったら、『うん?だから、ボクも上層部じきじきの依頼である【第七異能学院の生徒でありながら学長先生の異能の応用である序列システムに反映されない生徒簡易序列第0位
っていう仕事をきちんとやってるよ?』と言われまして…」
「まぁ、間違いではないが…」
「あの人、零先輩にベッタリですからにゃぁ」
「…仕事はしてほしいけど、あの人の口実も一理あるっすからねぇ」
「まぁ、その口実の内容の【序列の反映されない原因】もあの人のことだから多分判明してると思いますけど…。口実を守るために言わないと思います」
「あの人、零先輩にしか心を完全に開いてないですし~」
「…あの零にべったりしている状況を異性間の行動にできたら、無理やり人員交代して仕事させられるんだが…」
「上層部の【如月 零の心を開きやすくするため、手が空いている序列第1位である
「…マジで誰が考えたんだよ。この命令」
「十冠統括事務長の遠藤さんです~」
「あの、コスプレ大好きド阿呆お姉さんか…」
「あんな人ですけど、実力はたしかですにゃ…」
「あぁ、知ってる。じゃねぇと学長と同じぐらい権力持ってるのに説明がつかねぇよ…」
「そもそも、なんで零先輩は白兎先輩の男装に気づかないですかにゃ?」
「あいつは自分の周りの人のことに敏感で何か異変があったらすぐ対処しようとするけど、自分のことには鈍感だからなぁ」
「零はラノベの鈍感系主人公っすからねぇ」
「…また論点ずれてますねぇ~」
「あっ、そうですね。コホンッ、では、他に懸念点はありますか?」
「あ!!ハイハイハイハイ!!! 俺、一番ヤバい懸念事項見つけたっす!」
「では、金嶺さん。…くだらないこと言ったら凍らせて切り刻もう。(ボソッ)」
「金嶺ぇ~?くだらないことを言ったら、な?」
「別に発言させなくてもいいんじゃない~?どうせ、いつも通りの発言だと思うし」
「ちょっと、金嶺は黙っててにゃー。」
「え!!? 皆さん、ひどくないっすか!?ってか、鈴ちゃん!!?俺のこと呼び捨て!? 俺、先輩っすよ!!?」
「気のせいにゃ~。金嶺センパイ。(…ウザッ)」
「鈴ちゃん!!?」
「おい、言うなら早くしろ。金嶺」
「そうですよ、早くしてください。金嶺さん」
「…言った後、ちょっと泣いてきますね?俺の懸念点は
〔序列に反映されない零に、新入生が絡んで白兎がキレる〕っていうものなんすけど」
「「「「あっ…」」」」
…その後会議室に教員が入った際、十冠4人が顔を青ざめさせ冷や汗を大量にかいている中、何故か第9位が部屋の隅で泣いているという状況になっており、会議は急遽解散という形になったのだった。
第七異能学院の序列0 眠兎くん。 @hidemonpg0704
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