12 追放されたポーター、報酬を受け取りに行く…

主人公:ヒロ  …運搬者ポーター。念願の運搬者ポーターギルドに所属する

宿屋 :ケント…ダスティーの宿屋「希望の小鳥亭」の主人。厨房で料理人をしている

 関連:ケイ …ケントの娘。受付と女給を兼ねている。母親は居るが劇中では未出場

探索者:ブロンゴ…同探索者のリーダー。妻帯者の30代。その腕前は凄いらしい

 関連:セッチュ…アインの先輩。彼女が同探索者に居るらしい

   :トルン …同上。妹が同探索者に居るらしい

   :アイン …探索者「その日の糧を探す者」の一員…所謂下っ端新人

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- 運搬者ポーターギルド・ダスティー支部 -


只今ただいま戻りました!」


「お疲れ様、ヒロさん」


という訳で、遠征した「その日の糧を探す者」のポーター任務を完遂して来たので報告するのと報酬を貰いに来たのだ!


「えーっと…はい、依頼の完了書ね。これ報酬…(宿に戻ってから見た方がいいわよ?)」


「え…あ、はい」



取り敢えず宿屋に戻る。


勿論、宿屋は「希望の小鳥亭」だ。


受付にはケイさんが居たので挨拶をする。


「戻ったんですね!…お帰りなさい!!」


「あ、うん。今日からまた泊まりたいんだけど…」


「はい!…前と同じ部屋でいいですか?」


「あ、あぁ…助かる」


「じゃ、これ。預かってた荷物です!」


一応、魔法錠ロックを掛けてあったこれもアイテムボックス化しているずた袋を受け取る。


とはいえダミーに近い物で、俺の亜空間収納アイテムボックスと繋がってるだけの代物だ。


重量軽減が掛かって無くとも物を入れても重さは感じられないって訳だ。


「有難う…」


ずた袋と鍵を受け取り…前借りたと同じ、井戸に近い1階の部屋に向かう。



「うわぁ…」


やけに重いなぁと思っていた革袋(貨幣を入れた奴な)を開けると…


「金貨51枚?…50枚は例の奴の料金だと思うが…たった3日のポーターとして随行しただけだぞ?」


金貨1枚ってのは妥当なのか?


ポーターとして1日銀貨3枚。荷馬車1台を運ぶって仕事ではだが…


まだその仕事しか請けてないのでそれ以外はわからないのが…まぁ同じとしよう。


危険手当ってのも出るかも知れない。どの程度なのかわからないが…基本報酬倍額程度で妥当か?


それを3日…銀貨6枚×3で銀貨18枚…確か、金貨1枚って銀貨100枚と等価だよな…あれ?


(合わねぇ…多過ぎじゃないか?)


取り敢えず、報酬を貨幣入れの革袋に放り込み…アイテムボックスに放り込んだ。


「内訳を聞かないことにゃあ受け取れないよな…」



「おう、ヒロか。お疲れさん」


アインが出てきた。こいつに聞いても大丈夫かな?


「ちょっと報酬で聞きたいことがあるんだが…」


「あ~…中に入ってくれ」


「お、おう」


男部屋の中に入り、席に着く。


ちなみに例の布袋は1つだけ渡してあり、預かった荷物は残りの布袋から全部出してある。


あれだけの荷物を何処に保存するのか訊いたら、


「また部屋の片隅に積み上げておく」


と聞いたので、売った布袋の性能を少しだけ上げておいた…いや、内容量拡張見た目の4倍をしただけだけど。


※重量軽減能力はそのまま。時間経過緩和はしなかった。



「いや助かってるよ…例の奴」


「あ、あはは…」


「で…何だって?」


「あ~…報酬なんですが」


聞いてくるだろうと思っていたのか、1枚の紙を差し出される。


「口にしないで読んでくれ」


そういわれたので頷いてから読む。そこにはこう書かれていた…



【遠征随行報酬内訳】

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◎探索者PT名:その日の糧を探す者

◎随行ポーター:ヒロ

◎期間:1~3日

◎報酬:銀貨4~12枚(危険手当込)

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※頑丈な布袋譲渡費用と攻撃補助手当で、報酬は合計金貨31枚とす



「…えっと?」


「まぁ何をいいたいかはわかるが。受け取っておけ」


「はぁ…」


どちらかというと、収支は赤字じゃないのか?…


と訊きたかったヒロだがアインがそういうならと飲み込んでおく。


「俺たちは例の報告をした後、待機を命じられててな…念の為、ヒロも待機してて欲しい」


「え?俺も?」


「あぁ…大丈夫。戦力としてなんか数えられないから安心しろw」


あんまし安心できないけどな…と思いつつ、ヒロは頷いておく。


取り敢えず、自室へ戻る。が、氷の補充を頼まれたので冷やし直しておく。


水はアイテムボックスからな…


井戸まで行くの面倒だったし…


氷の追加の報酬?…そりゃあ、


「報酬高くしたんだからサービスな、サービス!」


と、クソ嬉しくも無いブロンゴさんのサービスコール聞いちまったわ…ぉぇ。



取り敢えず、疲れたので横になる。もうすぐ飯かもだが…


「いいや、寝よ」


ベッドの布団に飛び込む…前に。


清浄化クリーン


キレイキレイしてからな…部屋の掃除はして貰ってるだろうが、


布団は流石にそうそう日干しなんてしないだろうし?


ぼふ…


そして、俺は3日の随行依頼を完遂し…夢の世界へと…いや、夢なんぞ見ない程に深い眠りに落ちた。


無論、盗みに入られないとも限らないので荷物は全て亜空間収納アイテムボックスに突っ込んでおいた。


ダミーのナップザックは机の上に置いといた。


※ダミーのどーでもいい荷物を入れておいた


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翌朝、起きたらダミーが消えてたけどな…

どうやら鍵を掛け忘れてた模様…

俺のアホぉ~!

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【短編】追放されたポーターが知らぬ内に追放者たちを「ざまぁしていた」お話 じょお @Joe-yunai

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