第三次儀式産業
柳川晃平
第三次儀式産業
百年後まだそうである丘陵のような煙草の背を撫でている
抽象化されてゆくからどの時の施設も同じ石と鋼だ
なにか膜のようなものがなくなって事前に描画されている顔
投げられる前にあるからどの人もあなたに言及できないでいる
謝ればエゴは研ぎ澄まされてゆく死人に口がないと言うなら
実際はどうとかじゃなく体感でもうずっと五月の夜のまま
あなたへの応答として生活を続ける気にはどうもなれない
囲むしかない寿司があり儀式とはどこをとっても取り囲むこと
張り詰めていたから顔が本当に古いままみんな止まっている
思い出す鉛の文字を見るたびにあなたが眠らなかったことを
マイクロバスの嘘かもしれない空調の、いやきっとこれは嘘だろうな
切り方が雑だったその断面に花は何度も訪れている
耐性の無さに美を見ることもある。とはいえ、こちら側の意見だ
いまさらだ ここまで編まれていたものが端から燃え落ちてゆく間際に
最初から自分の中にあるものを吐いてまた飲むように さよなら
第三次儀式産業 僕たちの単位にあなたを宿す信仰
この先も記号になってカーペットいちばん白く毛羽立っている
不在って情報過多だ 本当に架線は鶴橋までのびていた
とても濃く近鉄電車は匂うから消せないよ新鋭の空気じゃ
第三次儀式産業 柳川晃平 @kohaiyanagawa
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