第3話 超昔話

「すまなかった、お主からしたら急に喧嘩をふっかけてきたとしか思わないだろうからな」


「あっ…はい…」


「とりあえず、これを飲むといい。超上級回復薬エリクサーだ」


「えっ、それはかなり貴重な…」


「人間にとってはな…そこはあとで話そう」


レオンは黄金のスーパーロボットから渡された超上級回復薬エリクサーを飲むと、欠損していた腕が生え、全身の傷が癒える。


『…さて、まずは我がどういった者かを教えよう。我はサタナエルガ、人間たちにとってはアヌンナキと呼ばれる者の1人だ』


そう言ったサタナエルガは淡々と話していく。内容を簡単にまとめると…


・アヌンナキは地球誕生から500年後に現れた存在

・平和に生活していたが、ある日機神という存在が現れる

・機神はダンジョンを作った。ダンジョンは機神達の拠点として作られた(今は色々改造して拠点としての機能が失われている)

・自らの体をあのスーパーロボット『イクス』に改造して機神に勝利するが、自分達も死にかけだったため地下深くで身体を修復しながら休眠に入る

・15年前のダンジョン登場により休眠から覚める。そして人間という存在や現状をネットから知る

・面白い人間がいると思い、信長の前に現れた。


とのこと。


(…傍迷惑な…)


そう思った信長であった。


「…さて、次は我からだな…えっと、レオンよ…お主はここ最近で何か異常はないか?」


「ッ!?」


「…あるのだな」


「…」


レオンは苦い顔をすると、ゆっくりと話し始めた。


彼は5ヶ月前、急に学園の皆や家族、幼馴染達から嫌われた。理由はわからず、聞いてもそもそも会話をしてくれない。そして、やがて暴力を振るわれたりもした。


「…で、今は呪いが効かない体質の親友の所に身を隠してるんだ」


「ふむ…その原因だが…間違いなくこれだな」


サタナエルガはそう言うとレオンの身体に触れ、真っ黒いモヤのようなものを身体から取り出す。


「…ふむ、成る程…好感度ともいえる友情や愛情などを嫌悪感に反転させる魔法…いや、もはやこれは呪いだな」


「そんなもんが…」


「全く、人間というのは面白い…さて、とりあえずこれを使用者に返してやるか」


「…それは」


「レオンよ、この呪いをかけた者はお主を傷つけたいと言う阿保な理由だけで呪いを使っているのだ。こう言うやつに優しさは不用だ…それに、こんなことわざがあるだろう?『人を呪わば穴二つ』と言う言葉が」


「…そうだな」


「…よし、ならばこれは」


サタナエルガはそう言うと呪詛返しを行う。呪いの塊は何処かへ飛んで行った。


「…よし、あとは使用者が死…天に召されれば呪いは解ける」


「…」


「レオンよ、我の行いを今すぐ理解しろとは言わん。だが、これだけは教えておこう…優しさには使い所があるということをな」


「…ありがとう、サタナエルガ」


「良いのだ…さて、ここからが本題だが…レオンよ、単刀直入に言うが我の力はお前の地下となった」


「…急だな…」


そんな会話をしながら、2人はゆっくりとしていた。


余談だが、呪いをかけた張本人である屑谷 粕雄は数週間後に呪詛返しによって死亡したという。その時の顔はぐちゃぐちゃだったとされている。


そして、レオンに呪いをかけた理由は仲良くしているのが気に食わなかったからという何とも小さい理由であったとされている。

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黄金勇者伝説 白菜揚げたら捕まったマン @hakusaiageman

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