第1回カクヨム二十首連作部門ノ2
名無しのオプ=アート
ナツノカゼ
真夏日の 午後四時の風 冷たくて 恨めしくなる 小さな窓に
部屋を渡る 風に流され 水を飲む 汗で重たい 上着が熱い
この身にも 夏の日差しに
まだ高い
夏を背に 肩から上は 北風が
北風に のった蝉の音 乙なもの 遠いマンション
ホーキング 放射終えたか 部屋の隅 その薄暗さ 涼しげになり
気がつけば 蝉の音は止み
落ちてゆく
南向き 玄関を開け
アスファルト その蓄えた 熱量で コンクリの家 溶かすつもりか
打ち水は まだ早すぎる
冷やし飴 北風受けて 飲むアイス 二度買い物す
太くなれ 身も心も 太くなれ
北風の 中を道路に
知らぬ間に 巨人の星に 着いたとは 陽炎の中
乾物を 戻す蒸し器の 中にいる シャツが命を
夏の熱 残して沈み ゆく夕陽 その
第1回カクヨム二十首連作部門ノ2 名無しのオプ=アート @nameless_op_art
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