File.144 イモウトとの対話⑤
これで上手く行けば良いんだけど…妹さんの治療が終われば翔太と話す時間を儲けよう。ただ、翔太と話す前に俺と話してもらおう。
俺だって、数回しか関わったことはないがこの子のことが不憫だと感じたことはある。だから彼女のことをできれば助けてあげたいという気持ちはあるのだ
彼女が翔太にしたことは許されないが、それは両親の対応が影響したという可能性も大いに考えられる。
両親は翔太に対して、厳しい対応をしていた事を俺は知っている…妹の事も翔太から聞いていた。
『妹は、優しくて常に周りのことを気にしている子なんだ…だからなのかわからないけど、自分の意見を主張できず周りに流されてしまうことが多いんだよね…』
翔太はそう言っていたが、俺は違う。確かに周りのことを気にしているのは素晴らしいことだし、俺だってすることがある。先輩の顔色を伺ったり、お客さんの話に親身になって聞くこともある。だが、俺は自分の意見を主張するし周りに流されることはない。
周りに流されてしまうのは、とても不味いことだ。自分の意見を主張できなければ大変なことに巻き込まれても周囲の意見に従うだけになってしまうだろう…だから、自分の意見をしっかりと言えるようにしておかないといけない。
そして俺は手伝ってくれた一人に電話をした。
「もしもし。今大丈夫か?」
『別に大丈夫だけど…何か問題が発生したのか?』
「問題は発生していないよ…ただ、少し話がしたくなってね」
『話か…どれくらい時間かかりそうだ?三十分くらいだったら問題なく話せるんだが…それ以上になるとなると、難しくなりそうだ』
「そんなに時間をかけるつもりはないから安心してくれ。俺が話したいことは、彼女の今後の対応についてだ。俺は用事があったから帰ってしまったけど、あの後医者からはなにか言われたか?」
『いや…正直いうか迷ったんだが、彼女のことをあそこに住まわせてるのは翔太くんのおじだっけ?』
「済まないがそこまでは覚えてない…だが、翔太のおじに当たる人だった気がする」
『そうか…今度その人に会いに行ってくれないか?あって、一度妹さんとあって欲しい。』
「会ってもらわないと行けない理由でもあるのか?」
『色々な処理をするために、関係者が必要なんだと。まぁそれ以外にも、彼女の精神を安定させるために有効な手段であると思うぞ。』
「なるほど…こちらでもどうしようか考えていたが、翔太が話すために彼女には頑張ってもらわないといけない。」
『たしかにな…翔太くんの方は大丈夫なのか?正直な話、いくらこれからのために頑張りたいとはいえ、つらいんじゃないか?』
「俺もそう思うよ…でも、翔太の事を尊重するから。」
『わかった…俺も必要な時には呼んでくれよ?』
「ありがとうな…これからもよろしく頼むよ」
彼とはこれからも良い関係を続けていきたいな…
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