君のことを信じなければ良かった… 『嘘告』なんてするはず無いって… 【祝80万PV!!】

聖羅 

第1話 嘘告

昔から人と関わるのが苦手だった…両親が事故に巻き込まれて死んだあの日から俺の移るもの全てに影が差していた気がする…


両親が死んだのは、俺が中学3年生で受験が終わった直後だった…俺の受験が終了して、両親が中学3年生の間は遊びに行くことも出来なかったからということでドライブに連れて行ってくれたのだ…


ドライブに行くのは、俺と両親、妹を含めた四人で家から遠くまで行ってみようという話だった…当日になって俺は何処かがしていたが、せっかくのドライブだから…と、口を出すのは良くないと思って言わなかったのだ…


結果、飲酒運転をしていた車によって事故を起こされてしまった…両親は亡くなり、妹も1週間ほど意識不明になるほどの怪我を負ったのだ…入学する予定の高校の方に、親が亡くなったことを言うと学費は全額免除にしてくれた…電話口の先生は、両親と面識があったらしく泣いて悲しんでくれた…


入学する予定の高校は、学費の全額免除の処置は普通はしてくれないのだ…学費の全額免除の処置をしてくれるのは、特待生の制度で規定を満たした人だけで、本来なら俺も学費を払わなければ退学になるはずだったのだ…


初年度の学費の納入なども、全額免除にしてくれたこの学校の校長には感謝しきれない…校長が他の先生達の意見を全て無視して今回のことを決めたらしいのだ…いづれ 恩を返したい相手の一人だ…


俺は毎朝妹と朝食を取り、一緒に母と父の墓に行った後、それぞれの高校や中学校に行っている…こんな生活が始まってから、約1ヶ月がたった…


「お兄ちゃん…おはよう」


「…おはよう。今日は大丈夫かい?」


「うん…ずっと悲しんでいる訳にはいかないから」


「そうか…お前は強いな」


「私が強いってわけじゃないよ…お兄ちゃんが私のことを助けてくれたから…お兄ちゃんだってあの事件で怪我を…」


「それ以上は言わなくても大丈夫…それよりも、中学はどうだ?楽しめてるかい?」


「…少しだけ。友達と呼べるような子がいないというか…正直学校に行ってても辛い」


「大丈夫…俺がしっかりと支えてあげるから。勉強だって部活だってこれからだろう?中学生は一番楽しい時期だ…笑ってすごそう?」


「うん…なるべく笑って過ごすよ…そのほうがお母さんとお父さんも喜んでくれると思うから…」


俺の名前は冴橋実…妹の名前は冴橋燐火だ。両親が亡くなった直後は何もしようとは思えなかった…それどころかこのまま果てようとさえ、思っていた…それを引き止めてくれたのは妹だった…


妹が実際に俺に語りかけてきてくれたわけじゃないけど、事故に巻き込まれて病院のベッドに横たわっている妹の姿を見て、何かが湧いてきたのだ…


「お兄ちゃん…私のことは気にせずに高校生活楽しんでね?お兄ちゃんが本当は一番楽しみにしていたはずでしょ?」


「楽しみにしていたのは本当だね…でも、それ以上に燐火を大学まではいかせるつもりだから安心して…俺はもう高校行くから、学校楽しんで来てね?もし本当に辛かったら俺のスマホに電話をかけてきてね」


「わかった…」


妹との会話はいつも何処か暗い…両親を失った心の傷は俺以上に妹のほうが大きいはずだ…両親を唐突に失って…ついこの前まで小学生だったんだぞ?俺があの時止めていればと思うと本当に申し訳ない…




俺はなるべくお金を使わないようにするためにも、バスや電車は絶対に使わない…使うのは己の足か、中学生の頃から使っていた自転車だ…


「今日は少し暑いから、水筒にしっかりと飲み物を入れてきて正解だったな…」


自販機を使うのは少し気が引ける…本当に必要なら使うけど、基本的に使わない方針で居る…


俺は、自転車を使って数十分以上をかけていつも通っている高校に辿り着いた…そして自転車を駐輪場に入れて、自分の下駄箱の中を確認すると手紙が入っていた…


「手紙?とりあえず後で読むとしよう…」


俺はこの時素直に喜んでいた…どんな内容の手紙でさえ、手紙をもらうことなんて小学生以来なかったからだ…





下駄箱にあったラブレターを回収した後バックの中にしまい、教室についた俺は、手紙を開けてみた…何かの呼び出しかと思ったが、それだったら口頭で言えばいいのに…と思った


「…」


あえて内容を言うつもりはないが、ラブレターだった…内心めちゃくちゃ嬉しかったがそれは表情に出さないでおこう…表情に出したりでもしたら女子に『気持ち悪い』って言われてしまうかもしれない…


俺はそのラブレターをこっそりとバックの中にしまい、授業を受けた…そして、ラブレターに記載されていた時間に指定された場所に行くことにした…





こちらの小説は絶対に完成させます!!安心してください!!一日一本又は、2本投稿になると思いますがご了承ください!!


次話も乞うご期待ください!!

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