File.141 イモウトとの対話②
「ねぇ…魁兄は、俺がこれから妹に会いに行くっていったらどうする?」
「行ってはだめだ!!妹と会ってしまえば君の心はまた傷ついてしまうんだ。次傷ついてしまえば、大変なことになるって説明したよね?頼むから、行くのは止めてくれ…」
「魁兄…俺は進まなくちゃいけないんだ。自分の抱えるトラウマを解消しないと前には進めないと思うんだ…魁兄分かってくれるよね?」
「分かってやりたい気持ちはあるけど、妹に会うのはダメだ!!会うとしてももっと成長してからでいい!!」
「トラウマを抱えた状態じゃ、おとなになったとしても何処か欠けてると思うんだよ。今俺は自分に自信がないんだ…」
「自信がない?」
「そう。電車での冤罪も、俺が自身を持って否定していればもしかしたらこんなふうにはならなかったのかも知れないし、その前までの様々な事件だって同じで否定したり、賛同するにしても自身を持っていればよかったんだ…でも、ずっと自信を持てなかった」
「自信なんて無くても、しっかりと説明することができれば良いんだ。自身を持っていても間違った主張や説明だったら意味がないと思わないか?少なくとも俺はそう思っているよ」
「自信がなくても正しい説明をすれば、問題はないのかも知れないけど自身を持っていて堂々としている人を信じようって人は多いはずだよ。だから、事件に巻き込まれても『やってない!!』って自身を持って否定できるようになりたいんだ。」
「…わかった。止めはしないけど、車でついていくから何かあれば直ぐにでも連絡をしてくれ。良いね?」
「車でついてきてくれるなんて…ありがとう。」
「当たり前だろう?あんな妹の所に本来なら連れて行きたくないけど、翔太が行くって決めたんだから俺が徹底的にサポートするのは当たり前だろう?」
「正直一緒に来てくれるとは思わなかった…車で何処に待機しているの?」
「基本的にはマンションの前に止めてしまう予定だが…それで大丈夫?」
「もちろん!!それと、雨だったら車で途中まででいいから送ってくれないかな?雨の中歩いて、ずぶ濡れの状態で話したくないんだ…」
「それくらい当然さ。天気が悪かったら途中までは送っていくよ」
「ありがとう…いつ行くのかは連絡するんだけど、すぐに動けるかわからないよね…」
「どうだろう…意外と休みは取れそうだから、基本的には大丈夫だと思うよ?ただ、深夜とかに呼ばれるのはちょっと…って感じはするけどね?」
「流石に深夜に呼んだりはしないって!!呼ぶとしても朝か、昼だよ!!」
「それもそうか。流石に深夜帯に呼ばないとは思ってたけど、助かった〜流石に深夜に呼ばれたら居眠り運転しそうだよ」
「居眠り運転だけは止めてね?事故とか洒落にならないからさ…」
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