File.134 魁兄
妹といつかは話をしなければいけないことは頭の中でも理解しているし、主人格も理解しているだろう…妹と話をして、心の傷を癒やさなければいけない…なるべく早く対応しないと不味いだろう…
なぜかと言うと、心の傷が少しずつ治せてきているから、このタイミングで治し切るのが良いだろう…
妹と話をする上で重要なのは、妹と対話をするのが主人格でないといけないことだ。主人格が妹と話さなければいけない理由は、俺等他の人格が話をしても意味がないからだ。
他の人格が、話したところで妹によって負った傷は回復しないだろう…だから主人格に覚悟を決めて話して貰う必要があるのだ…
さらに、もう一つある。この前一度妹がいるであろうマンションに向かって歩いたが、途中で歩くことが出来なかったのだ。それも改善する必要があるのだ…
そろそろ主人格と約束した日になるな…その事を伝えてから代わるとするか…
この5日間色々なことがあったな…魁兄にはあまり会うことが出来てないから、今日の内に話しておくとするか…
「ふぅ…今日も頑張ったな…」
「魁兄お疲れ様。仕事はどう?いい感じに進んでる?」
「あぁ。結構大きな会社から依頼をされてね…これが通れば沢山お金が入りそうだ。」
「お金も大事だけど、体も大事だからね?熱とか風邪をひいてほしくないからしっかりと休んでね」
「もちろん休みはいつも取っているよ。こんな大事な時期に風邪でも引いたら本当に不味いからね…今後仕事を貰えなくなっちゃうかも?」
「流石にそれはないでしょ…それは何かの法律に引っ掛かりそう」
「どうだろうね〜俺も一度は法律のことをたくさん調べていたけど、今じゃこいつがないと俺は仕事できないからね…」
「法律のことを調べていたって言ってたけど、暗記みたいのってしてたの?弁護士の試験とかで必要になってくるからみたいな感じで…」
「暗記はたくさんしたな〜今でも覚えているけど、辛かったよ…暗記してないとテストで良い点を取ることは出来ないし、先生にも怒られるからね…」
「弁護士の学校みたいのってどんな感じだったの?普通の学校とあまり変わらないのかな?」
「そうだな〜変わらないといえば嘘になるかな…テストの回数だったり、する内容が変わるのはもちろん、授業のする時間が大幅に変わったね…最初こそなれるのに精一杯って感じだったけど、二ヶ月くらいすれば授業に集中できるようになるかな〜」
「へぇ〜俺は弁護士の学校に行きたいわけじゃないけど、大変そうだね?」
「なんだ〜翔太も弁護士関係の学校に行きたいのかと思ったじゃん…翔太は弁護士に向いていると思うんだけどな〜」
「俺の何処らへんが向いているのさ…事件が起きても上手いこと対処できなかったようなやつが、弁護するなんて無理だろ…」
「そんなことはない…あの事件に関しては、巻き込まれたのが初だってこともあったし、いきなりだったからね…そんな状況で落ち着ける人がいればむしろ紹介してほしいくらいだよ。弁護士はいつでも歓迎しますよ〜」
「魁兄…お酒飲んでたりする?今日はいつも以上にテンションが高い気がするんだけど…」
あぁ…やっぱりこの時間が大切だな…
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