File.114 昔の思い出
俺は次の場所に向かいながら昔のことを思い出していた…あれは小学生の時だったか、イジメを受けていたのを今でも鮮明に覚えている。
当時の主人格はどうしていじめられていたのかさえ分からなかった…だが、今の俺や主人格なら、どうしていじめられていたのかがだいたい分かる。俺がいじめられていた原因…それは、人との関わりが極端に少なかったことだ。
当時の主人格は、人と関わることよりも読書などの自分のためになる、つまり自分の役に立つものを多くこなしていたのだ。でもそれを進めていく内にある問題が起きた。友だちを作ることが出来なかったのだ。
友達を手段として見るなら作っても良かったのかも知れないが、当時の主人格は友達を手段や物として見ることが出来ないと言って、頑なに友だちを作るのを拒否していたのだ…
そんなんだからイジメられるようになるんだ…俺はこの話を聞いた時から、ずっとそう思っていた。
そして今回俺が向かっているのは、その事件が起きた場でもある小学校だ。今も1〜6年生すべて合わせると800人以上は超える学校だからか、敷地も広く比較的すべてが新しい設備になっている…
最初はここに行って、責任を問うのは無茶だと思っている。でも、主人格のためと思えば無茶をしてでもやらなければいけない。俺が消えるためにも…
小学校は設備が当時よりも新しくなっているらしく、様々な所がきれいになっていた。トイレや教室なども全てが新しくなっていた。当然、思い出のある図書室の中も覗いたが当時読んでいた本はなかった…
「当時読んでいた本がないのは少し心に来るな…」
どうして図書室や教室などを見ているのかと言うと、担当者が来るまで待っていてほしいと言われたからだ。しかも、出張しているらしく30分ほどで到着するとのことらしいから、今日で片付けることができるな…
俺は様々な所を見て回った…当時の思い出が蘇ってきて思わず涙が出てきそうだった。
「残っている場所もあるんだな…全て新しくなってもここは残ってて良かった。」
主人格の思い出の場所であるここは、主人格が昼休みなどで本を読む時には必ずここに来ていた。主人格いわく、時間を忘れるように、本を読みながら日差しに当たるのがとても良かったらしい…
「確かにこの場所は良いのかもな…」
俺はそう言い、置いてあるベンチに座った…するととなりに男の子がやってきた。
「おにいさんはだーれ?」
「俺かい?俺は菊池翔太っていうんだ。どうかしたのかい?」
「ぼくは、あまねあきらって言うの!!よろしく!!」
「こちらこそよろしく…それで君はここに何のようで来たのかな?」
「え〜っとね…むしさんをかんさつしに来たの!!」
「そっか〜虫は好きなの?」
「うん!!むし大好き!!」
「虫なんて俺は数年触ってないな〜懐かしい…」
男の子はベンチから降りて走って虫を取りに行ったみたいだ…俺もそろそろ戻るとするか〜
俺は男の子との出会いで少し癒やされつつも、この後の話でストレスが貯まるだろうな〜と思った…
ちなみに事前に確認したことだが、当時俺に関わった教員の内、未だ全員ここの学校に残って居たのには本当に感謝しか無い…
そして戻ると俺の事を担当者と呼ばれていた人が呼んだ…その人は、この学校に実習に来ていた先生だった…
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