File.112 ため息③(教育委員会視点)
菊池くんから連絡が来たのはちょうど一週間後だった。言われたとおりに教育委員会の人をほとんど集めて一緒に聞くことになったのだ。最近はイジメが起きることも少なくはなってきているため、こういった事をする余裕もあるのだ。
「先輩今日は眠そうですね」
「ん?あぁ…最近は眠る時間が遅いから起床時間がはやいここは結構キツイんだよ…でも、俺に合ってる職業だからってのもあるけどやっぱり楽しんで出来てるから問題はないかな〜」
「先輩はこの職は楽しんでやってるんですね」
「そうだよ〜というかどんな職業だとしても楽しんで働かないと心が持たなくなっちゃうよ…」
「そんなにですか?先輩が働くの楽しいって思ってるの初めて知りました。」
「結構昔に言ってたはずなんだけどな…まぁ良いか!!それでいつかかってくるんだ?」
先輩がそういった瞬間に電話がかかってきた。私が電話に出ると予想通りだった。
『もしもし?』
「先週の報告ありがとうございました。上の者もこれでようやく動くことができると息巻いておりました…それでどうかされましたか?」
『今日はですね…とある人が、教育委員会の人に聞いてほしいことがあるらしいので、録音をしておいてください。』
「あっはい…分かりました。録音をしておけば良いんですね?」
『そうです…それじゃあよろしくお願いします。』
私は次に聞こえる音声に集中した。まわりの人達も集中しているように見える…
『ただいま菊池君のスマホを借りているものです。私がお菓子たつみを全て正直に話します。』
そこからの報告は皆呆れて何も言えなかった…不正のオンパレードでむしろ今までよくバレなかったなとでも思えるくらいだった。
『誠に申し訳有りませんでした!!お許しください!!』
「ん?というかこの声何処かで聞き覚えがあるような…」
「どうかしたのかい?」
「いえ…確かあの学校の教頭の声と非常に似ている気がして…」
「う〜ん…私も確かにそう思うな〜この声的に、何処か似ているというわけじゃなくてほとんど同じ…いや同一人物なんじゃないか?」
「それって菊池くん大丈夫なんですか?もしかして先生に呼び出されて学校にいるんじゃ…」
「俺の感が正しければ、学校にいるんじゃないか?でも、単純に呼ばれたんじゃなくてなにか特別な要件で呼ばれたとか…もしくは逆に、菊池君のほうが呼び出したということも考えられるかも?」
「でも普通呼び出しますかね?だって、自分のことを貶めようとしたんですよ?普通なら会いたくもないと思うはずなんですけど…」
「もしかすると、教頭や校長は菊池くんに締められたりしたのかな?酒瓶で菊池くんに殴りかかったとも聞いたし…」
「その説ありますね…でもその場合は問題ないんですか?もし仮に暴力を振るっていたら…」
「先に菊池くんからやっていた場合は確かに問題になるだろうけど、先に校長がやったのなら正当防衛が認められるだろうね…酒瓶だから、割れたら危ないしもし割ってから武器として使用したなら、完全にアウトだよ」
「明日にでも呼び出して処分をするのはどうでしょうか?それくらいしないと不味いと思うんですけど…」
「俺らの一存で決められることじゃないから、上からの指示を待とう…とりあえず皆お疲れさま!!また電話がかかってきたら教えるから!!」
おそらく菊池くんから電話がかかってくるのはこれで最期だろう…いや、そう信じたい…
あまり知らない私がこんな事を言うのはあれだけど、彼ってこんな感じの性格なのかな?自分を害そうとする人間には容赦なく制裁するみたいな…
もしそうなら直したほうが良いのかも?
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殺人鬼に恋した女子高生
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