第1話 異世界転移

「ふわぁ~っ。もう寝よ。」

それが私のこの世での最期の言葉となった。まさか。

目が覚めると。

「ぎゃあっ!ここ、どこ⁉」

「あくあねえちゃん、どーしたの?」

「アクア、急に大きな声上げないでちょうだい。びっくりするじゃない。」

声を掛けてきたのは、3歳くらいの男の子と、14歳くらいの女の子。

「え?え?」

ってか、ここまったく知らない場所なんですけど~~⁉

「アクア…、熱でもあるの?」

「ねーちゃん、大丈夫?」

「い、いや。だいじょう、ぶ…。」

「もぉお。こんなに綺麗な水色の髪が、汚くなっちゃったじゃない。

まあ、ちょうどもうすぐお風呂だから良いわ。」

「え?」

水色の髪?私の髪はいかにも日本人的な黒髪のはずなんですけど…

短いはずの髪が長い。起き上がって、一束持ってみて見る。

「わあっ」

たしかに水色だ。それも、自然でめちゃめちゃ綺麗な。

ちなみに男の子の髪は緑、女の子の髪はピンクだ。

…そういえば、なんで寝転がってるだけでこんなに汚くなるんだろう…

理由はすぐわかった。床が。汚い。

模様かと思い気付かなかったが、土や砂が所々についている。

「もー、掃除しなきゃじゃん!」

「そうじってなに?パール姉ちゃん、知らない?」

女の子はパールと言うらしい。と言うより。掃除を知らない?

「私も知らないわ。アクア、おかしくなっちゃったんじゃない?……あっ!」

「?」

「もしかして、あなた転生者?」

「えっ」

無意識に夢かと思っていたが、…転生?

「そ…そうかも⁉」

「えええええええええええええっ!ぼく、気付かなかったよ!」

「私もよ。」

…もしかして私、危険な目に合うんじゃない、よね…?

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異世界出身の天才楽師~ドラマー小学生が異世界に転移し、王族専属の楽師になりました~ 猫原獅乃 @MikoMikko

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