異世界出身の天才楽師~ドラマー小学生が異世界に転移し、王族専属の楽師になりました~

猫原獅乃

プロローグ

私は新田亜玖愛にいだあくあ。東京にある第3小学校の5年生。

特技はドラム演奏。ピアノもまあまあ得意。

1年生から同じクラスで歌の上手な二ノ上有菜にのうえありな、ピアノの大会で毎回3位以内に入る小林由真こばやしゆま

よく演奏している。

今は中休み。あと1週間後にあるお楽しみ会の演奏に備えて音楽室で練習している。

今流行っている曲を2つ演奏する。

2つとももう完璧に演奏できる。

「もう完璧じゃん!…にしても、亜玖愛ほんとドラム上手いよね。

この曲ドラム馬鹿みたいに難しいのに。」

「そー?でもさ、有菜も由真ちゃんもホント凄いよね。

特にさ、由真ちゃんなんてクラシック系が得意なのにポップスできるんだよ?」

「うーん、でも、基本が出来てれば誰でもいろんなジャンルできるよ。

多分新田さんがドラムもピアノもできるのと同じだと思う。」

「そーいうことか…?」

「あ、やばい。次図工じゃん!準備しなきゃだよ」

「本当だ…。新田さんも急いで!」

由真ちゃんも有菜も後片付けをするとすぐ教室に戻ってしまった。

キーンコーンカーンコーン…。

「うあ、チャイムなったし。急がなきゃ!」

その日の帰り。

由真ちゃんと有菜はかなり仲がいいので一緒に帰っている。

私は1人で下校だ。

親は2人とも私が帰ってくる3時くらいに家にいることはない。

私に「亜玖愛」なんていう名前を付ける両親、かなりチャラい。

まだ2人とも29歳。遊びたいのはわかるが、子供を放置しておくのはどうだろうか。

おやつを食べて宿題をする。大会に向けてドラムの練習をし、お風呂に入る。

テレビを見ながら夕食を食べ、ゲームをした後9時30分に寝る。

「…友達と言える友達はいないし、親はまともな奴じゃないし。

いっその事、異世界にでも行きたいわ。」

その夜、私は異世界に転移する。

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