【完】執事、伝説になる

 あれからボクたちは様々な冒険をした。そしてボクの登録者は1億人を超え、アリスの登録者数に並んだ。


 そして今、ボクは夜のアリスの部屋にいる。


「珍しいね。リオの方から私の部屋に来るなんて」

「はい、今日はお嬢様に伝えたいことがあります」

「フフッ、真剣な顔をして。何かな?」

「ボクは以前、“道具”として生きてきました。そう生きることしか知らなかったから。でもそんなボクをお嬢様は“人”として“仲間”として接してくれました」

「……」


 アリスは真剣な表情でボクの話を黙って、聞いてくれている。


「そんなお嬢様と一緒に過ごしていくうち、ボクはずっとお嬢様といたい、と思うようになりました」

「……」

「そしてお嬢様に相応しいような人になりたいと」

「……」

「チャンネル登録者数がお嬢様と並んだ今だからこそ、1人の男としてお嬢様に伝えたい気持ちがあります」

「フフッ、何かな?」

「以前、お嬢様はボクと結婚しようと言って下さいましたね?」

「ああ、そうだったね」

「その気持ちが今も変わらないのであれば──」


 ボクはポケットから婚約指輪をとり出し、アリスの目の前に見せる。


「ボクと結婚して下さい!」

「……」


 その場に沈黙が流れる。


「も、もしかしてダメですか……?」

「──リオ」


 お嬢様はちょいちょいと僕を手招きする。


「はい?」


 ボクは言われた通りにアリスに近づく。


「!?」


 その瞬間、アリスはボクにキスをしてきた。


「フフッ、これが私の“答え”だよ。リオ」

「お嬢様……」

「フフッ、婚約したんだ。アリスって呼んで欲しいな」

「アリス……」

「──リオ……んっ」


 ボク達はベッドの上で、お互いに何度もくちびるを重ねる。互いの愛を確かめあうように。何度も、何度も。


「もっと欲しいよ、リオ……」

「うん……ボクも」

「フフッ、リオ……来て?」


 キスをし、抱きしめ、求め合う。まるでボクたちの足りない部分を補い合うかのように。


 そしてボク達は一晩中、愛し合った。





「フフッ、さぁ、今日も配信始まるよ?」


《待ってました!》

《アリスちゃん、今日もかわいい!》

《うおおおおおお!》

《なんかお嬢様、いつもより艶があるな》


「兄さん、怪我したらいつでも言って下さいね!」

「ご主人様、今日も美味しいご飯楽しみにしてるガオ!」

「うん、今日もダンジョン配信頑張ろうね」


《うおおお、伝説の執事だ!》

《今日も派手な活躍きたいしてるぜ!》

《楽しみですわぁ!》


「はい、がんばりますね!」


 さぁ、ダンジョンへ潜ろう。まだまだボクたちの冒険は始まったばかりなのだから。《完》



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


最後駆け足になってしまいましたが、最後まで

読んで頂き本当にありがとうございました!

 




 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【完】お嬢様のダンジョン配信のお手伝いをしていた執事、うっかりボスを倒してしまい、大バズりしてしまう 腹ペコ侍 @koba5000

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ