あとがき
『サレタ男の門出と、シタ女の遅すぎる後悔』を最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます。
この作品は、久しぶりに寝取られ物を書いてみようかなぁと思い、あらすじを考えて箇条書きで書いたメモが元になっている物語です。
そのメモというのが、二人が中学で付き合い始めて、高校卒業後に男の方が地元を捨てて逃げるまでの出来事を箇条書きにしてた物で、後で読み返した時に「コレじゃ普通のありきたりの寝取られ物語で、誰でも思いつくような話なんだよなぁ」と思いまして、寝取られ物ってどうしてもワンパターンになりやすくて、だからと言って奇抜さに走るとリアリティが薄れてチープになるし、じゃあ、ありきたりの物語をどうしたら面白く出来るかな?と構成や演出をメインに考えて、1話だけ実際に書いてみたのが始まりでした。
その1話が本編の1話なんですけど、2話以降の大学進学以降のストーリーは全部後から考えて書いた話なんですよね。
なので、この作品には高校時代の流れは出来上がってたんですけど、本編の大学時代に関してはプロットは無しで書いてました。だから、あらすじがあんな内容になってました。
以前からそうなんですけど、私の場合はプロットありきで書くと小さく纏まってしまってる気がするので、今作に関してはプロット無しだったのが良かったのかな?と思ってます。
今作で自分で考えていた課題としては、二人の主人公の同時進行する別々の物語をどう効果的に描いていくかというのと、過去の出来事を徐々に明らかにしていく流れをどう作って行くかでした。
試行錯誤しながらぶっつけ本番みたいに書いていたので、タイチ編とチカ編のボリューム的なバランスが偏ってしまったのが今後の課題になったかと思います。
それと、大変だったのが、今までの作品でも毎回そうなんですが、エピソード毎のサブタイトルを考えるのに非常に悩みまして、今作も何度も書き直したサブタイトルが幾つもあります。完結した今でも変えたくなるエピソードがあるくらいですが、それは止めておきます。
あと、このエピソードはどっちの話だ?とすぐに判るようなワードをエピソード毎の冒頭で不自然にならないように入れるのも、結構大変でした。
そして、白状しますが、私は教職に関して全然知識がありません。大学の教職課程も取ってませんし、私大出なので国立の教育大に関しても全く知識がありませんでした。なのでネットで調べまくって書いたので、実際と異なる点が多々あるのでは無いかと思います。その辺りは素人が書いたものだからとご容赦頂けるとありがたいです。
内容に関しまして、解説&補足しますと、まずは最終話#56のタイチがプロポーズの際に最後の切り札に言った台詞の伏せていた内容ですが
『僕はイロハさんと結婚出来るなら、婿養子で構いません。それと、早い婚姻がこの土地の風習と言うのなら、学生の間に籍を入れることも考えています。それでしたら、お父さんを説得することも可能じゃないでしょうか。 今日僕は、これだけの覚悟をしてここに来ました』
この言葉でタイチの覚悟を知り、イロハさんは迷いを払拭することが出来たという流れになります。
内容を伏せたのは、赴任した小学校の初日に黒板に『瑞浪タイチ』と書くことで、タイチとイロハが既に入籍したことを最後の最後で明かしたかったからそうしました。 なので、入籍前にイロハさんはタイチと一緒にタイチの地元の両親に会いに行ってるし、両家の顔会わせも済ませています。
また、イロハさんのお母さんですが、自分のせいでイロハがタイチと別れたことに申し訳なさを感じていたところに、タイチが会いに来ると聞いて復縁させようと意気込んでいたらタイチのプロポーズを聞いてしまい『これはチャンス!』と積極的にタイチの援護をしていました。
因みに、チカからの手紙の宛名が『坂本タイチ』になっていたのは、チカはエリコさんからタイチが福井で入籍したことは聞いてたけど、手紙を書いていた時点では婿養子だとは聞いて無かったということです。読者さんにタイチの旧姓が坂本だということを思い出して貰う為に敢えてそうしました。
その他、詳しく解説したいことは色々とあるんですけど、キリがないので掻い摘んで書きますと、チカ編ですが、チカ編の実質最終話となる#54でタイチを怒らせる為に『そんなんだから、私に浮気されるんだよ!』とチカが言うシーンを書きたくて、そこに繋げる為にずっと色々と書いてました。酒屋のバイトを始めて男顔負けの肉体派になるのとか、#48と#50でチカにモヤモヤが残る流れも、二人が大喧嘩することでチカがようやく納得できる為の布石でした。
あと細かいネタとしましては、お気づきの方は多かったと思いますが、#55のタイチのプロポーズは#26のタイチの告白とセリフほぼ一緒です。そしてその後の一部やり取りも。
他にも細かいところでは、毎月食料品が送られてくるのでタイチの部屋にはそれを入れていたダンボール箱が大量に溜まってまして、教育実習の為に実家に帰る際に事前に荷物を送るのにそのダンボールを使ってました。なので、実家の玄関でチカからの荷物を見た際に同じ箱だったので自分が送った物だと勘違いしてしまったという状況でした。
間男の新山サトシに関しては、最初から卒業後は出すつもりがありませんでした。出て来てしまうと、作品の趣旨が変わってしまうと思ってます。
裏話としては、チカが受け取らなかった20万のお蔭でタイチは何度も福井に足を運べたとか、チカは勉強頑張り過ぎて大学を主席で卒業してチカのお蔭で母校の指定校推薦枠が増えるとか、タイチが持っていたイロハさんの部屋のスペアキーは言われた通りイロハさんの部屋の玄関扉の郵便受けに入れに行ってて、イロハさんも春休み中に人知れず部屋を引き払ったとか、プロポーズの返事に迷っているイロハさんに「お母さん長生きできそうにないから、イロハの花嫁姿見れないのかなぁ。(チラッ) 元気に生きてる間に可愛い孫を抱きたいなぁ。(チラッ)」とイロハさんのお母さんが自虐ネタで説得しようとするとか、婿養子に来てくれたタイチの為にイロハさんのお父さんが近所に家建ててくれるとか、色々と考えてはいたんですけど、流れ的に書くタイミングが無かったり、不自然な後付けになりそうでボツにしました。
今作は非常に多くのフォロー、☆レビュー、応援♡とコメント、PV数、そして近況ノートでの作者解説にいいねを頂きまして、大変感謝しております。ありがとうございました。
特に♡数に関しては異常な多さでした。過去の自分のヒットした作品と比べても、PV数は過去作のが高い数値なのに、♡数は段違いで今作のが多くて、賛否両論含めて、それだけこの作品への期待値と満足度が高かったのではないかと思います。
まだ連載中で休止している作品とかもありますので、そちらでも読者さんに期待して頂ける様に頑張りたいと思いますので、他作品もどうぞよろしくお願いします。
最後に。
岐阜県って、キャラ名にするとカッコイイ地名多いですよね。
バネ屋
サレタ男の門出と、シタ女の遅すぎる後悔 バネ屋 @baneya0513
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます