スパイスの利いた好意反転もの

・・・・・・カレーだけに。

深い絆で結ばれた仲間達(どういう訳かみんな女性なんですが)と協力しあい巨悪を打倒した代償は、彼に愛情を抱けば抱くほど、殺したいほどの憎悪に駆られる、愛憎反転の呪いであった。

いわゆる好意反転からの(主にヒロイン達の)後悔(贖罪)系なのですが、主人公の物語上の最終目的は、それとはまるで無関係に

親しくしてくれた婆さんが喰わせてくれたあのカレーがまた喰いてぇ!!カレー、カレー、カレー、カレー……

カレェェェェェ!!

婆さんが遺してくれたレシピ片手にカレーを求めて三千里。その旅のついでにかつて主人公に不本意な加害をしてしまったが故に罪の意識に苛まれ、歪んでしまったヒロイン達の心も救っちゃうぞ!

食欲という高邁さの無い目的に向けて邁進する主人公と、主人公への好意がカンストした色々な意味でブレねぇヒロイン達がステキですw

加害とそれに伴う贖罪の問題に「カレー喰いたい」を挟む事で、この手の話に伴う主人公の昏い被害者意識の話にワンクッション入るから、通常はギスギスしがちな加害者ヒロイン達と主人公との邂逅も、「一体主人公は凍てついたヒロイン達の心をどう溶かしていくんだろう?」と明るい将来への希望を持ってニヤニヤしながら読めます。

テンプレな好意反転ものに飽きた方はぜひご一読を。

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