RUN3 専属天使
スマホのディスプレイに表示されていたアプリのアイコンは全部で5つあった。
いままではグレーダウンしていた残りの4つのアイコンが色を灯していた。
アプリの名称が見えるようになった。
『
「
「まずは、難易度が低くてお試しができるようなのがあるといいよね」
「確かに、たぶん一つの世界で終わりとかじゃないと思うんだよね」
僕は、そう思っている。
世界というと大きく感じるけど、箱庭的な異世界もありそうだなと。
「
「あ、そういえば
僕は、アプリの
スマホから頭ほどの大きさの光が飛び出す。
やがて、光が収まり僕らの前には二頭身ほどの翼の生えた幼女が宙に浮いていた。
まあ、どう見ても天使だな。
彼女は、白いワンピースを纏っている。
「わぁ、可愛い」
そう言って、春花さんは天使を抱き締めていた。
ピコンと電子音が頭の中に響く。
天使から吹き出しが出ていた。
『あのあの、止めてください><』と言う文字が表示されていた。
喋ることはできないのかな?
「春花さん、天使が困ってるよ」
「へ!わわっ、さっきの電子音はこの子の声だったんだね」
春花は、天使を離した。
天使は、ほっと溜息を洩らした。
ピコンと電子音が頭に響く。
『名前を付けてください』と吹き出しが上がる。
「名前か・・・春花さん、どうかな?」
「うーん、じゃあ秋か冬を付けたいなぁ」
「え?ああ、春花さんが『春』で僕が『夏』だから?」
「うん」
春花さんは、頬を赤くしていた。
これから、長いことお世話になるだろう
「うーん、漢字じゃなくて『アキ』とかどうかな?」
「あ、確かに。秋を入れると凄い古風な名前になるよね」
「じゃあ、君の名前は『アキ』だよ。よろしくね」
僕は、天使の頭を撫でる。
くすぐったそうな表情を浮かべる
『はい、私の名前は『アキ』です。
専属契約が完了しました。
さっきまでの吹き出しではなく、頭の中に声が聞こえた。
とても愛らしい子供の声だった。
「えっと、パパ?」
「え?ママ?」
『ダメですか?』
涙目になるアキ。
とても、胸が締め付けられる。
僕は、春花さんに視線を向ける。
彼女もまた僕に視線を向けていた。
2人して、笑みを浮かべる。
これから、長く付き合っていくことになるのだし、元々気になっていた人だからそう呼ばれても問題ないかもしれない。
「ああ、パパだよ。アキ」
「うふふ。うん、ママだよ。アキちゃん」
そう僕らが告げるとパーッと明るい笑顔になる。
僕らの周りをグルグル回り出した。
よっぽど、嬉しかったのだろう。
僕らに、可愛い
ようこそ、異世界で始めるご褒美生活へ 天風 繋 @amkze
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ようこそ、異世界で始めるご褒美生活への最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます