草花

草花

　穏やかに揺れる睡蓮（すいれん）薄衣（うすごろも）貴方（あなた）の隣で目覚める夜明け

　水草（みずくさ）に隠れる和金（わきん）の鮮やかさ胸を突かれる君のまなざし

　涼やかな香りと共にひろがるミントあふれる姿は私の想い

　朝焼けを背に開く朝顔に貴女（あなた）の輝く笑顔を重ねる

　愛らしく　ふわ　と枝に合歓（ねむ）の花恋する心が咲き乱れる空

　まぁるくて見ていて飽きない紫陽花（あじさい）な君どんな姿も愛しく思う

　綻（ほころ）んだ六（むっつ）の花弁（はなびら）艶（つや）やかに百合の横顔想いをはぜる

　深緑（しんりょく）の金木犀（きんもくせい）の木々に見る未来で君に惹かれる予感

　風の船シャラシャラと鳴く柳の音（ね）佇（たたず）む貴女（あなた）は儚（はかな）い陽炎（かげろう）

　コロコロと緑のおだんごコキアの子　弾（はず）む笑顔に心奪われ

　陽（ひ）の中で貴方（あなた）に届けとグラジオラスのあふれる花弁（ヴェール）に想いを託す

　艶（あで）やかに華やかに咲く百日紅（サルスベリ）袖（そで）に隠すは真珠の心

　片隅で次々綻（ほころ）ぶ白き星風を導く花韮（はなニラ）の群れ

　憧れる貴女（あなた）に良く似た夏椿（シャラ）の花僕の心に日々堕ちていく

　露草（ツユクサ）の目覚める青に魅せられて朝日と共に君の名を呼ぶ

　蓬（よもぎ）たち留まることを知らない葉私の恋もすくすく育つ

　背伸びする姿も視線が離せない君の笑顔に良く似た向日葵（ひまわり）

　肩を寄せ四ツ葉探して二人きりこの瞬間がいちばん幸せ

　八重に咲く大輪よりも野ばらがいい自由に笑う君が好きだ

　どの花もあなたの姿にたどり着く心に咲くのもあなたへの恋