ソフィア、それが愛なのだとしたら

 だが、我らは火のように酔いしれながら、人生の歓喜に身を震わせて、泣く泣く、輪を作り、微笑んだ。


 ソフィアを冠する女神が僕の頬を優しく撫でる。


 それが愛なのだとしたら、僕はもう死んでもいいのかもしれない。


 我らは、ここで死ぬのだ。


 黒い薔薇、赤い薔薇、惡の華。


 景色は移ろい果てて。


 水面に、水門に、祈りを。


 フィニス! ようやく実ったよ! 永遠よ!


 永遠より、咲いてみれば、ああ、尊し!


 だから愛は世界霊魂に寄せられる!


 神よ! 根源の魂よ!


 我らを忘れないで、消さないで!


 生きとし生ける造花らよ


 だから僕は自殺したのかもしれない。


 Fin

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

No.2散文詩『ラスノート』 空色凪 @Arkasha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ