終末のEveにセックスを
わたしはやはり死んだのか。いや、目覚めたのかもな。生きていくよりも、死んでいることのほうが幸せな人生はあるのかもしれない。
風は人生を蠟燭の灯火のように消し去ろうとするが、それは比喩に過ぎない。実際、そんな風など存在しないからだ。
なぁ、そうだろう?
ヘレーネ。
わたしは君を愛している。会いたい。
あの夜、全てが終わりと始まりを迎えた7日目の夜に、わたしたちは一つになった。わたしはあの時に得た快楽に勝る経験はしたことがない。
テトラの海辺に、卵を生む海亀は、どうして涙を流すのか。
君とわたしの愛の結晶。それが世界なのだとしたら、君はその世界をどうするのが正解だと思う?
山吹色した目が斜め上からわたしを見つめていた。世界は変わる。不可逆反応。それが摂理。
わたしは終末の狭間でした君とのセックスを二度と忘れないのだろう。あの感触、あの温もりが、今でもわたしの脳のクオリアとして確かに存在しているのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます