No.171 ふりむかない

友達と話しながら教室に向かっていると、楽しげに話す数人の男子とすれ違った。

「今日どっかいこうぜ」「ああ、いいよ」

男子の中ではすこし高めの声が遠ざかっていく。

「次、数学だっけ?」「そうだよ」

何事もないふりをしつつも、全身で彼のかすかな気配を集めようとしていた。

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島本の葉っぱ(140字小説) 島本 葉 @shimapon

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