第4話

ー翌日


いつも通り、6時起床で荷支度を済ました。

ドンはというと、夢の中で格闘中なのだろうか。手足をパタパタと動かし悶えていた。


写真を1枚取り私は大学へと向かった



大学に着いてすぐ私は誰かに肩を軽く叩かれ、振り返ると友達の結菜がいた。

結菜とは高校の頃に出会って大学までエスカレーター式のようにずっと一緒にいた。



腐れ縁でもるのかな。と大学入学した時に思ったこともあったり、、なかったり笑



《おっはー!》


「おはよ〜、結菜今日も元気だね」


《あたぼーよ!だって加耶に会えるんだぞ?私は加耶に会うために大学来とるんよー!》



なんていう執着心なんだ…。

私は呆れたように微笑み教室へ向かった



《てかさー?加耶、昨日なんかあった?》


「え?なんで?」


《疲れてそうだから?》



こういう時に限って結菜は勘が鋭い。たまに「え?見てたの?」って言いたくなるくらい的確に言ってくる事もあって私はたまに結菜が怖く感じることがある。



「昨日叔母さんからお届け物きてたから」


《おぉー!いいじゃーん》



これがいいのか悪いのか。可愛いマスコットが着いてきましたなんて言ったら結菜驚くのかなw

むしろ「見たい見たい!!」ってテンション上がってそう



「荷物いっぱい仕送りしてきたせいでま片付けが大変だったの…」


《そりゃーご愁傷さまですわ…》


「まだ片付け残ってるんだよねぇー…」


《そんな大量に送られてきたの?》


「うん…まぁ」



動くドラゴンのせいでてんやわんやしてダンボール折りたたんでないので散らかってる。

案外ドンはあのダンボールを遊び道具として使っていそうな気がする。問答無用で今日帰ったらゴミに出すけど。



《今日サークルあるけど休むって言っとこうか?》


「え、大丈夫だよ?あと少しなだけだから」


《冷凍ドラゴンとか外に置いといて解凍してたら動き回って大騒ぎになるんだし帰っておいた方が身のためではあると思うけど?》


「あー……うん…そうだね」



もはや“食べられない喋る”ドラゴンが家の中を徘徊してるんですけど。それは一体どうしたらいいんでしょうか、、。



《雄大《たけひろ》にも言っとくわ》


「よろしく。てか雄大にいちいち言わなくていいからね?」


《えーw2人とも付き合ってんじゃん?やっぱ心配になるべ》


「ならんならん。携帯で連絡入れとくし」


《ケッ…つまんないの〜》



面白がるところ1ミリもないぞ。むしろ友達をいじろうとするその精神をやめた方がいいよ



「結菜もそんな皮肉言ってないで彼氏作ればいいんじゃない?」



私はニヤッと笑って嫌がらせのように結菜に向けて言ってやった。高校の時からずっと彼氏がいない結菜にとっては屈辱だろうと思ったのだが、結菜は清々しい顔で


《ん?私彼氏いるよ?》 と言ってきた。



「初耳なんだけど、なんで行ってくれなかったの?!」


《私〜アイドルと結婚するからその辺の男とかいらないです〜》



…こいつアイドルオタクだった。

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喋るドラゴン 佐瀬綾 @saseaya

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