最終話 即位
王都はあっけなく陥落し、ダンブル軍は王宮に無血入城した。
新王ジョージは親衛隊五百騎と先王からの忠臣数十名を率いて、南の地に逃れた。
その後、王都を含めた王国北部の三分の一を所有するアードレー家とその従属貴族が、ダンブル国への帰属を表明した。
ダンブルは王国北部を併合せず、新王国を建立し、王国は南北に分離した。
王国南北朝時代の幕開けである。
北朝の初代国王にはダンブル国が推奨するシャルロット・アードレー女王が即位した。
国民に圧倒的人気を誇るシャルロットの即位は、北部の国民からは大歓迎され、南部からは羨望の目で見られた。
シャルロットは国民の期待に応えて善政を敷いた。
姉のカトリーヌが「ダンブルの至宝」と呼ばれていたため、シャルロットは「アルデリアの至宝」と呼ばれるようになった。
北朝がダンブルと密な交流を行い、どんどんと栄えていく一方で、南朝は停滞を続け、南北の格差が開いていった。
国民の北への流出に頭を悩ませていた四大侯爵は、国王ジョージを見限り、アードレー家への従属を申し入れた。
アードレー家は承諾し、南北朝時代は二年で終結し、統一新王国が生まれた。
女王シャルロットはこの機会に側近のトーマス・マースとの結婚を発表した。
国王ジョージは西の島に流刑となり、翌年、失意のうちに島で病没した。
新王国の統一後、ダンブル王は譲位を決意し、ヒューイが即位することになった。
即位式には新王国からシャルロット女王夫妻、#陞爵__しょうしゃく__#したアードレー公爵夫妻、ゾルゲ将軍、クノイチ部隊、軍の将校など懐かしい面々が参加した。
その後、ヒューイとカトリーヌは、男の子一人女の子二人の子宝に恵まれ、末長く幸せに暮らした。
侯爵令嬢はイケメン皇太子に溺愛されつつも、公務をしっかり努めます もぐすけ @mogusuke22
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