第5話最終章〜百合の絆〜

その頃神宮寺友美は



涙が止まらねぇ。と目を擦りながら言った。

へへっ友情て良いな。 


さて飲み物買って来ますかね。売店に着くと、思い出す様にスマホを見て着信が入っている事に気がついた。


瑠璃のお母さんからだ。すぐに掛け直した

もしもしすいません神宮寺です。


神宮寺さんどうも〜お見舞いほんとありがとう。私もあなたに会いたかったんだけど、仕事でね。全く娘が大変な時に仕事なんてするもんじゃ無いわよね。


瑠璃のお母さんが愚痴っている。

そうですねと神宮寺は相槌を打った。瑠璃の病気について…少し聞きづらいですけど、教えていただけますか?どうしても気になって、聞いてしまった。


そうね。神宮寺さんには、教えて良いわね。

病名はね…


友美はポケットにスマホを戻し、少しだけ深呼吸をした。瑠璃の母から聞かされた事実は心に重くのしかかったが、彼女はそれを振り払い、売店に向かった。


その間に、明日香とお姉様の会話は続いていた。


そうなの。でねその女の子とは、本当に色々なところに遊びに行ったりして、いつも一緒にいたの。


そんなに仲良かったんですね。なら今も連絡とか、やり取りはしてるんですか?私は笑顔で聞いた。


いえ、その子とは、もう連絡取れないの。

その子ね、先生に許されない事をされて、私それを見ていたのに、怖くて何も出来なかった。凄い後悔してる。どうして何も出来なかったのか今でもずっと悔やんでる。女の子は不登校になって、そのまま引越ししてしまって。


それは仕方ないよ。月宮さんその時小学生でしょ。その先生が悪いだけだよ。


もちろんそれはそうだけれど、周りの大人も知っていたのに、知らないふりをしてた。


私はお姉様の衝撃的な言葉にショックを隠しきれないでいた。


ごめんなさい楽しい思い出話そうって言ってたのに。


大丈夫、月宮さん辛かったね。私は背中をさすりながら言った。


ありがとう桜井さん辛かったよ。話せて良かった。


私達は2人で見つめ合いながらお互いを想いあった。


桜井さん今日だけで良いの、甘えさせて。

お姉様に吸い込まれるように見つめられて、


私はゆっくりと頷いた。


お姉様の綺麗な顔が少しずつ、私に近くなっていく。


お姉様の大きくてくりっとした目を、私は上目遣いで見つめた。


月宮さんが私の唇に重ね合わせる。

私は目を瞑り幸せを感じた。

私はもう今死んでも良いとさえ思った。

その時だった。


飲み物買ってきたよー。

みんなの分も、あわわわ…声を上げ驚きと戸惑いで、顔を赤く染め

お邪魔しましたー!と気まずそうに、ともちゃんが慌てて逃げる様に、その場から去っていった。


見られちゃったね。月宮さんがばつの悪そうに指を絡ませる。


ともちゃんだから、私はそれほど気にせず、今度は私から月宮さんにキスをした。





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微笑む聖女/月宮瑠璃への恋 タカユキ @takayuki007

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