結婚・出産・育児は、大人が自分を見つめ直す浄化かもしれない。

 人類は伴侶を従順で苦労がないアンドロイドに求め、
出産は人工子宮、育児は施設がスタンダードになった近未来。


 そんな世界に生まれ、そんな世界の中で育ち、そんな世界で出会った
二人の若者、湊と詩。
 二人を待ち受けるのは、現代日本でも見え隠れするものが
より強くなり、市民権すら得てしまった偏見と無理解。
 いつの時代も変わることのない、子育ての過酷さと男女のすれ違い。

 そして、人間とアンドロイドの歪な関係を見て育った、心の不全。


 本作を通して思うことは、結婚・出産・育児、環境の変化、苦境。
 それはその『人』を顕にし、見つめ直し、乗り越えていく。

 そんなイニシエーションなのかもしれない、ということです。

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