と、タイトルをつけましたが、そこまで、落語落語しているお話ではありません。落語知らないから……とためらう必要はありません。
どちらかというと、超個性的な男子高校生たちが、「どうしてそうなるの?」的展開に翻弄され、笑いあり、人情ありの青春・学園生活を満喫するお話です。キャラクターが生き生きしていて、極上のエンターテインメントとして楽しめます。
あ、落語ネタは有名どころの噺が様々な場面にこっそり忍び込んでおり、それを探し出すのがまた楽しいのですが、ビーチサッカーについては、小説のタイトルどおり、がっぷり四つで向き合っています。ビーチサッカー好きの方は、それはそれでとても楽しめるんじゃないでしょうか?
神奈川のご当地ネタもあり、その方面から攻めるのもまた楽しいです。
いち小説で何味にも楽しめる、とってもお得な物語です。
ゆるーく落語を嗜む部活、落研所属の男子高校生たち。
しかしあるとき、いろいろあって落研は「草サッカー同好会」に。
しかもなぜかビーチサッカーをやることに…!?
あらすじだけでも奇想天外なのが伝わるかと思いますが、読めばもっとその唯一無二さがわかります。
出てくるキャラがもれなく良い意味で濃い。
さらにキャラ同士が掛け合うと楽しさはうなぎのぼり、どんどん魅力を増していきます。
男子高校生たちのゆる~い青春ギャグストーリーとしても楽しめるし、
かと思えば手に汗にぎる熱~いビーチサッカーの試合が楽しめる。
さらにさらに、落語のように摩訶不思議で奇妙な事件も起こったりして、次に何が飛び出てくるかわからない面白さがあります。
1話ごとが短くて、サクッと読み進められるので、通勤通学時間のおともにもなるし、ちょっとした休憩時間に読むのもあり。
ただし、そこかしこにギャグが織り込まれてるので、吹き出し注意です。
気になった人は、とりあえず1話だけでも読んでみてください。
きっと止まらなくなると思います!(私は止まらなくなりました)
まず何より初めに、本当に「テンポが良い!」
落語をご存知の方ならば、登場人物の台詞を追いながら、頭にしっかりと言葉が再生されるかと思います。
落語にあまり詳しくなくとも大丈夫、台詞回しのテンポの良さがありますので、充分に楽しめるはず!
概要のあらすじにもあります通り、漫画原作を意識しての執筆とのこと、何となくでも意識しておくと更にイメージが捗るかと思います。
私も個人的にサッカーが好きなスポーツなので、ガッツリそこに釣られつつ……ビーチサッカーに詳しくなかったので、その部分について「なるほどそういうのもあるのか!」と新鮮な気持ちで楽しめました。
結果、自分の中で、
「知っていることは明確にイメージできて楽しめる」
「知らないことも新鮮な気持ちで楽しめて、知ることが出来る」
と個人的にではありますが、証明できましたっ……オススメです~!
登場人物が最初から多いのですが、脚本のように人物が接頭に付与されているため、混乱することもありません!
会話ベースで物語が進行していくため、少し読み進めると会話テンポで誰が喋っているか分かってしまいますが・・・!
導入はあらすじにもある通り落語研究会が突如消滅する、という本題の前段階・・・のはずなのですが、上述の通り会話ベースの進行がとても読み応えがあり、このままご当地モノでもいいんじゃ・・・という気持ちにさせてくれます!
要所要所でさらっと流れる設定だったり、会話の中で頬を緩ませてくれるため、良い意味で油断ができない作品です!
また、あらすじの最後にある通り表現は違いますが、それが読み進める上でノイズになることもないので気軽に足を踏み入れて問題ありません!
本題よりもそこに至るまでのキャラ同士の掛け合い等、見どころが盛りだくさんのため、みなさんもぜひお立ち寄りいただければと思います!