【夢解水】

空川陽樹

【夢解水】

学校帰りに

公園のブランコに

揺られながら

君と話している


『青』臭い

『春』一番が

吹いている


心の底に

沈んでいた後悔が

風に乗って

君の元へ流れる


公園には僕たち以外

誰もいない

鳥の囀りさえも

聴こえない

不思議な静寂の中

話に耽る


突然君が立ち上がり

そして歩き出す


追い縋ろうとする

私の手は

空を掴む


走り出したい

私の足は

地に絡まる


遠ざかる

君の足音は

終わりを告げる


一瞬にも

延々にも

思われる

その時間に




目が醒めて

夢だと気づく


頬を伝う涙は

雪解水のように

冷たく煌めく












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【夢解水】 空川陽樹 @haruki_sorakawa

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