ななくさたちのひとりごと~秋の七草~
水涸 木犀
ななくさたちのひとりごと~秋の七草~
傘広げ 雨を受け止め 進む人 受け流せたら 楽になるのに
雨上がり 光遮る 人影は 今日だけ邪魔だと 感じられない
知らないを 知るに変えよう そういって 我の前から 皆は立ち去る
東屋で 共に語らい 睦まじく 想うは今亡き 義妹のこと
時が経ち 訪れる者は 変われども 我はただ待つ 同じ野原で
子の定め 見届けたくて 唯願う 来年もここに 留まれることを
数千年 超えて佇む 社わき ひっそり佇む 幼き命
そこに在り 見守るだけが できること 今日も独りで 旅人を待つ
葉を落とし 茎だけ残す その間 人は辛いと 感じるらしい
雑草に 紛れてひっそり 咲いてみる 見つかることは きっとないはず
目が合って 人の恋路の ダシになる 今日も今日とて またほらひとり
そびえ立つ 森灯台の 足元で 今日も誰かの 訪れを待つ
声出さず じっと見つめる その先は 衰え朽ちた かつての遊び場
土の上 響き渡るは 槌の音 景色変われど 我は変わらず
障子越し 箸を動かす 人を見て 我にもできるか そっと葉を見る
居るだけで いつもと違う 毎日を 送れるからこそ ここは楽しい
変わること 自分ごとなら せわしない 環境だったら いつでも歓迎
外に出て 水を替えられ また戻る 人といるなら 我も動ける
加圧され わずかに命を つなぎとめ 見守る相手は いつも変わらず
長雨に 濡れて冷たい
ななくさたちのひとりごと~秋の七草~ 水涸 木犀 @yuno_05
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます