第25話 「鴻臚寺」について
このエッセイは鷲生の中華ファンタジー「後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符」の「あとがき」です。
拙作のURLはコチラです→https://kakuyomu.jp/works/16817330658675837815
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唐の長安には外交を司る「鴻臚寺」という役所があります。
拙作で朱莉姫は父王と一緒に、この役所の施設に滞在しているという設定です。
「鴻臚寺」という名前ですが、この文脈での「寺」は「事務部局」的な意味です。
この「鴻臚寺」の「鴻臚」の由来など、外交関係については、私が持っていてる山川出版社世界史リブレットシリーズの97『唐代の国際関係』に詳しく説明されているんですが……。
スミマセン、今、家の中で行方不明になっております……。
そんなに部屋の中散らかっているわけではないんですけれども……夏休み中に本腰入れて整理整頓しようと思うので、そうすれば出てくるかもしれません。
手元にあった時に内容を紹介した記事をカクヨムで書いております。おススメですよ。
↓
「こういうのでいいんだよ」なリブレット『唐代の国際関係』」 https://kakuyomu.jp/works/16817139556995512679/episodes/16817330651867015088
手元に紙媒体の本が見当たらないので、Wikipedia「九寺」の項目から「鴻臚寺」について書かれた文章を引用しておきます。
「鴻臚寺 外国使節の応接、対応を司る官庁。到来した使節を迎え、宿舎と食事を給し、儀礼を取り仕切る。また、官僚の身内の不幸に関する儀礼も司る。平安時代の日本に置かれた鴻臚館の名は、鴻臚寺に由来している」
文末にあるように、平安京に「鴻臚館」というのがありました。
鷲生は京都に住んでいて、平安京について調べることが多かったので、それで馴染みのある名前です。
(そして平安時代をモチーフにしたファンタジ小説を書いております。コチラです→錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術 https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393 )
平安京にあったのは「鴻臚館」で、長安にあったのは「鴻臚寺」です。
お読みいただいている拙作「後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符」では「鴻臚寺」とするものなのかもしれませんが、やはり「寺」とついていると「仏教施設」だと思われてしまいそうで……。
長安の「鴻臚寺」には附属する施設として「鴻臚客館」というものが存在し、どうやら宿泊施設のようです。
この辺はおそらく今紛失中の『唐代の国際関係』で得た知識だと思いますが、いかんせん今見当たらないので……。
鴻臚寺の付属施設を取り上げた論文が見つかったので、そちらのURLを貼っておきます。
「石曉軍 著 — 唐代における鴻臚寺の附属機関について : 鴻臚客館・禮賓院・左右威遠営および外宅.」
file:///C:/Users/flyingeagle/Downloads/CV_20230704_KU-1100-19970731-02.pdf
どこにあったのかその場所は、上記論文では以下のような記述があります。
「鴻腫寺と鴻腿客館は皇城の中央を縦断する承天門街(承天門と朱雀門を結ぶ街)とその西側の南北向きの含光門街の間、そして第七横街(皇城内の最南端の東西向きの街)の北に位置していたのである」
鷲生の手元にある丸善出版『中国文化事典』39頁「長安の都――8世紀の世界都市」の長安の図でも同じ場所にあります。
要は朱雀門のすぐ西北です。
朱雀門の北西というと「皇城の中」ということです。
さて。鷲生はこの事実に少し困ってますw
平安京の鴻臚館は朱雀門の外にあり、拙作「後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符」のこの場面を書いていた時も、鴻臚客館は皇城の外にあるもんだと思い込んでいたからです。
うーーーん。皇城の中だと、璋伶と朱莉姫が抜け出すハードルが高くなってしまいますw
ええっと……そこは何でも器用にこなす璋伶が上手いことやったと思っておいてくださいませw
璋伶は今後も多才な能力を活かして物語を引っ張ってくれます。ファンタジー小説にこういうキャラがいると何かと便利ですねw
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璋伶がどんな働きを見せて、これから白蘭がどうなっていくのか。
どうか最後までご愛読くださいますよう。
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