第26話 入試英語はやめよう

日本の大学で教えた10年役、大学院入試の英語の問題を毎年作らされていた。必ず、ふざけた問題を選択問題として1−2問ほど出していた。Which is heavier, a ton of iron or a ton of feathers? (1トンの鉄と1トンの羽毛、どちらが重い?)のような問題だった。最高の答えは "Together." だった。「同じ」と書きたくても、単語(The same.)が思い出せなくて、そこで、知っていた単語に「一緒」という意味の"Together."を書いてきた。英語の問題にダジャレで答えられたようで、面白かった。


しかし、日本人が英語が話せないと言われる1番の問題は、英語が入試科目として使われていることだと思う。教師は、入試問題が克服できることを教えるので、話せるかどうかは全く気にしない。読み書きもそんなに強調されない。大学の試験問題を作る教授達は、志願者を選別するための英語の問題を出してくる。過去問は出回ってしまうので、だんだん重箱の端をつくような主題になってしまう。英語なんて、もうTOEICやTOEFLの結果を受け入れるだけでいいのではないか?それとも、英語は廃止で、他の科目、物理や化学などの問題を英語で出題すれば良いのではないか?そうなると、英語の授業は、他の科目に出てくる単語や問題を英訳したものを学ぶことになる。英語の先生は、他の科目の先生達と連帯する必要が出てくる。私はそれでいいと思う。中学から、全ての教科書は一部英語で書かれているようにして、高校からは半分又は全てが英語。こうなると、教師すべてが英語が使えなくてはならなくなる。


日本で私がであった米国人の一人に、ある私立大学の教授がいた。彼はミッソン系の大学の英語の教授であったが、その後、学長にもなった。彼がいうに、英語が強いと言われている彼の大学では、英語の入試問題にめちゃくちゃ難しい問題が出るそうだ。入試問題を話し合う会議で、彼は、この大学の英語の入試問題はあまり顕教的な問題が多すぎる。このような英語の問題は米国の高校3年生でも9割以上が解けない。などの苦情を出したそうだった。すると、彼の意見への答えは(この大学の日本人の英語教授達の返答だが)、「うちの大学は英語が強いと言われているので、その評判に合う問題を提出する必要がある。」と言われたそうだった。結局、その大学の英語の入試問題が解けたとしても、英語が話せるわけではなかった。


私の息子には、日本語を教えなかった。前にも書いたと思うが、同じ内容を日本語と英語でにか話すのが面倒臭いからだった。幸いなことに、私の妻が、大学で日本語を学び始め、息子にも教え出した。カリフォルニアでは土曜日の日本語学校で、ふたりは学んでいた(その間、私は、日本語の無知さを曝け出していたが)。やがて、我々一家は、日本へ移り住み、息子は、インターナショナルスクールで、日本語を外国語として学んだ。そして、広島の実家で、本場の広島弁も叩き込まれたので、ヤ●ザに間違えられる可能性もある日本語が話せるようになった。しかし、一番の日本語教材は、漫画スラムダンクだった。


日本の英語教育も、子供に人気のあるアニメや漫画を使って学ぶ工夫があっても良いと思う。英語が、物覚えだけの科目で無くなってほしい。


これは、西しまこさんが小学五年が楽しく漢字を覚える方法を開発されていて、それを小説にされていることから思い出した。英語も楽しく学んで欲しいので、文科省は新しい教材の開発(英語も国語も)を考えるべきだと思う。https://kakuyomu.jp/works/16817330661145519453


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