沈むように溶けてゆく二人には、「さよなら」だけが広がった

SF的な自己啓発みたいなファンタジー作品。
ミステリー要素も含む不思議な感じ。

主人公の主観、心情を語るところから始まっている。
どこなく詩的。
書き出しの情景と心理、雰囲気描写が素敵だ。
どちらも自分だから、一人称で書く選択をしたと考える。

ベンチに遺書を置くのは、これまでとこれからの、無数に存在する次元にいる自分に対して、このベンチで過去の自分は死んだとピリオドを付け、これから新しい自分として再出発する決意の現れだろう。