旅と呼べば美しく思える

蒼キるり

旅と呼べば美しく思える

繋いだ手みて駆け落ちかなと呟く誰にも止められてないのに


見たことないものを瞳に映そう満足と笑えるその日まで


こんなにも人を見たのは初めて紛れ込めば名前無くせるかな


すっかり隠れてしまえば他人さ君と手を繋ぐのを許される


軽くなった体は寂しさも忘れてどこまでも駆けられるから


身を寄せて眠ろうそれを許される平穏に止められない涙


溢れる富を懐かしく思う日がくるなんてまだ考えれない


愛を取るなんて馬鹿馬鹿しいって笑いますかこの広い世界で


ざらついた床も愛しくなるよ君と寝転ぶという奇跡だけで


ひとつしかない林檎かじりついて帰れないこれは自由の証


どのくらい歩けるかな追手も見えない遠くへと心が急ぐ


夜は星を数えようずっと変わらないね今も昔もこれからも


子どもの姿見て微笑むだけの余裕は鎖外れた証拠で


夜の闇が怖かったのは昔いまは静けさがない世に生きて


地図をこんなに満ちた気持ちで見られるとは学びとはなんだったか


足りないものは山ほどあってけれど満ち足りている不思議ではない


自分のものを自分で背負うことに生き甲斐を感じる未来へと


敷き詰められる宝石より君の瞳の方が価値があるのにね


毎日を忘れたくないと思って生きていけたらこれ以上ない


ひとりにも打ち明けなかったねどうせ認めてなんてもらえないから

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旅と呼べば美しく思える 蒼キるり @ruri-aoki

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