募金というテーマを選ぶこと事態なかなかいいことだと思う。偽善批判というものが社会問題として捉えていいほど厳しい今の時代の中、主人公と同じ考えを持つ人は多いと思う。それをすんなりと理解する客側も、何だかしっくりくるところがある。
こことなると自分の感性の話だが、主人公はこれから会うこともない第三者により大切なことを教わり、人生の中の一つの変化が生み出された。
これは読者であるぼくたちにも言えるのではないだろうか。会うことはないこのコンビニ店員の主人公に、大切なことを教えてもらえた人も多いだろう。
小説家を目指している人としてしっくりとまとまられた物語をかけることは羨ましい。
決して少なくない額を一挙に募金箱に入れたお客さん。
理由を尋ねた店員に対して返した言葉は、躊躇いを解消してくれるものだった。
あなたは募金について、どういったイメージを持たれるだろうか。
そんなことするくらいなら自分で使う?
優しい人アピールに見えて嫌だ?
少額入れたところで意味なんてない?
そもそも入れたお金が実際に用いられるのか分からない?
……色々あると思う。
やってみた方が「良さそう」に見えるが、実際のところは上記に挙げたような心理的なブロックがあって、なかなか手が出せないというのが実情だろう。
これは、そういった視点を変えてくれる作品である。
胸を張って入れにいこう。