幸福の国の悪役令嬢

美貌の姫、カトリーヌは断頭台に登りながら、「わたくしの美貌のせいで、民衆の罵倒に覇気がない」と思っていた。幸福の国に住むカトリーヌたちの生活を全て壊したのは、魔力が無尽蔵にあり、人の心を掌握したり、思考を読んだり、ありとあらゆる魔法が使える、カレイスという少女だった。それを知っているのは、カトリーヌのみ。民たちは彼女を聖女とあがめ立て、カトリーヌを処刑に追いやった。けれどカトリーヌはカレイスを愛していたため、その罪を甘んじてうけとったのだ。それは彼女の「魅了の力」だと思い込んでいるが……？