父と母

第1話

私の父と母はとても仲が良く周りからもかなり評判がいい。昔登下校していた道でよく耳にしたのが

｢○○夫婦ってやっぱりいつ見ても仲がいいわよね。｣

｢あの夫婦って不満あるのかしら。｣

｢昨日あそこのスーパーで手を繋ぎながら出ていくところ見たぞ｣

と、第三者達は言う。

実際家でもそうだ。2人とも気配りが上手で本当に素晴らしいとしか言えない。

だけど私は知っている。2人の夫婦の間にある

｢本当を｣

母の陽子はいつも朝が早い。毎朝私と父の弁当を作る作業から朝が始まる。私はまな板に包丁があたる音を聞いて起床する。これがいつもの流れだ。毎日これで起きている。

｢おはよう。｣と私が一言出すと｢おはよう！｣と元気な声が返ってくる。

私が洗面所で顔を洗い歯磨きを済ませてトイレに行き食卓に着く頃には朝ご飯の支度と弁当の支度が終わっている。

母に

｢今日は何を入れたの？｣と聞くと｢秘密よ？｣と言ってくる。そういう何気ない会話が終わる頃に父が起きてきて

｢おっはよう！｣と本当に今起きたのかと思うくらいの声で挨拶してくる…

評価が良ければ続きます……。