第78話 春山さんからのお礼 3
95階層に到着する。
「早速、虎の抹殺計画を実行したいが……俺、ミニスカなんだよなぁ」
俺が今履いているスカートは膝上までしか丈の長さがない。
そのため、アレが見えそうで少し不安になっている。
〈安心しろ。お前のパンツに興味あるヤツなんて居ないから〉
〈はぁ!?裕哉ちゃんのパンツだぞ!需要しかないわ!〉
〈〈〈〈そうだそうだーっ!〉〉〉〉
「お前らは俺のパンツを見るために視聴してんのか!」
俺はカメラに向かってツッコむ。
〈その通りだ〉
〈どちらかと言えばそうだな〉
〈白虎よりもパンツが見てぇ〉
「下着売り場行ってこい!」
俺の視聴者はパンツ好きしかいないらしい。
〈おい、大声でツッコんでていいのか?白虎がやってくるぞ?〉
「んぁ?」
そんなコメントを発見した時、「ドドドドっ!」という足音が聞こえてくる。
「おぉ。勝手にやって来てくれたか」
俺は前方に現れた白い虎5体を見て呟く。
〈相変わらず落ち着いてんなww。S級モンスターの白虎が5体現れたんだがww〉
〈マジで恐怖映像よww。俺がその場にいたら全力で逃げるわww〉
〈逃げきれんけどなww〉
「さて、お前らには恨みしかないからな。俺のストレス発散に付き合ってもらおう」
俺は突っ込んでくる虎に向けて悪い笑みを浮かべる。
そして現れた虎たちを蹴散らしていく。
「てめぇらのせいで女装することになったんじゃぁぁぁっ!」
“ザシュザシュっ!”
俺は突っ込んで来た虎2体をすれ違いざまに瞬殺する。
そして、勢いそのままに虎たちに蓮撃を見舞う。
「2度と俺の前に現れるなぁぁぁっ!」
“ザシュザシュザシュっ!”
「「「グォォォォ……」」」
怒りに身を任せた俺の一撃に、雑魚モンスターである虎はなす術なく魔石となる。
〈じゃあ95階に行くなよww〉
〈わざわざ会いに行ってんだろww〉
〈もはや白虎のことが恋しいとしか思えねぇぞww〉
「ふぅ。少しはスッキリしたが……まだまだこんなもんじゃねぇぞ」
俺は再び剣を持ち、歩き出す。
〈【悲報】白虎、全滅する〉
〈ご愁傷様、お前らは何も悪くねぇよ〉
〈また復活した時に会おう。裕哉ちゃんの配信で〉
〈裕哉ちゃんに出会った瞬間、瞬殺されるけどなww〉
〈それな。ってか、そんなことより、みんなに残念なお知らせがあるぞ〉
〈ん、なんだ?〉
〈裕哉ちゃんがミニスカを履いてるから移動する時にパンツが見えるのではないかと思ったんだが、裕哉ちゃんが素早く動きすぎて、残像しか見えなかった〉
〈そりゃそうだww〉
〈今の戦いだって、裕哉ちゃんが消えたと思ったら白虎が魔石になってるからなww〉
〈くそーっ!なんで俺たちには裕哉ちゃん並みの動体視力がないんだ!〉
〈裕哉ちゃんのパンツを見るのに必死だなww〉
「あ、みんなに言い忘れてたが、今日の配信に終わりはねぇぞ」
〈え、そうなのか?〉
「あぁ。俺は虎がダンジョンからいなくなるまでダンジョンに潜り続ける予定だ。だから好きなタイミングで視聴を辞めていいからな」
〈だれかコイツに、ダンジョンのモンスターはいずれ復活することを教えてこいww〉
〈女装姿で野垂れ死ぬなら本望だろ〉
〈【朗報】裕哉ちゃん、2度とダンジョンから出られなくなる〉
〈喜ばしいニュースとして扱うなww〉
「おいおい、さすがにモンスターが復活することくらい知ってるぞ。お前らは俺のことを、常識も知らないバカだとでも思ってんのか?」
〈〈〈〈思ってます〉〉〉〉
「なんでだよ!」
俺はコメント欄を見て、大声を上げる。
〈だってさ、これまでの数々の偉業を考えると……常識を知ってるかが疑わしい〉
〈俺もだ。知らないなら知らないと言った方がいいぞ?〉
〈知ったかぶりは恥ずかしい思いをするだけだからな〉
「余計なお世話だっ!」
俺は再び視聴者に向けて声を上げる。
〈じゃあ、どうやって白虎がいなくなるまで討伐するんだ?もしかして復活するまでに全滅させるとか言うんじゃないよな?〉
「お、よく分かったな」
〈お前との付き合いも長いからな。全視聴者がお前の考えてることを理解したぞ〉
「そうなのか!お前ら俺のこと大好きかよっ!」
〈〈〈〈それはないから安心しろ〉〉〉〉
「………」
配信をブチ切ろうかと一瞬考えました。
*****
【リメイク版について】
先日、作者はこの作品のリメイク版を投稿しました。
【リメイク版】
https://kakuyomu.jp/works/16817330668215656342/episodes/16817330668215915713
リメイク版では女装展開のないストーリーとなっております。
新作(リメイク版)の方もよろしくお願いします<(_ _)>
「あれは空飛ぶトカゲだ」と言って瞬殺する底辺配信者、実はS級モンスターだったようで有名配信者に見つかりバズりにバズる。 昼寝部 @hirunebu
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