どこにでもありそうな、異世界+配信+俺強系の作品ですが、
丁寧に作りこまれているので、そこらへんのなろう系と一括りに出来ない作品です。
バトル物として戦闘描写もしっかりしており、
山場とその他場面も、メリハリがちゃんとしているので、
飽きが来ない構成です。
また、RPGの設定集みたく、モンスター、
装備品などにもバックグラウンド / フレーバーテキストがついてるのが秀逸です。
独特な世界観があり、没入感を高めてくれます。
ただ、表現やセリフなどが非常に中二臭いので、読む人を選びます。
別に貶しているわけではなく、舞台劇なような大仰な言い方が多いです。
正直に言うと思わず、「うわっ....クッセ~」ってなります。
※おっさんの自分には、小っ恥ずかしくて敵わんわ(笑
それでもしっかりとした文章力があるので、
そこら辺のなろう作品とは一線を画します。
あえて欠点を言うのであれば、設定のつくり込みの甘さです。
まず、強さに対して描写が杜撰です。
最強の勇者のはずなのに、序盤の雑魚ボスに何故か苦戦します。
(あとから、舐めプと判明するのですが、最初にそう言った描写がないので、
余計読者をヤキモキさせます。)
また、帰還系勇者の主人公ですが、異世界で苦楽も経験したにもかかわらず、
明らかに怪しい人を無条件で信じて、裏切られたりと、
色々設定に違和感が生じる場面が多々発生します。
そこだけ改善できれば、更に良い作品になると思います。
以上、総合的に見ても良作です。
その上、一話一話が長いので、読み応え抜群です。
しっかりとした作品を読みたい方は是非。